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今週のヘッドライン|2020年9月第3週号

各社大幅に絞り込み ―― 20年秋冬業務用新商品

 2020年秋冬業務用新商品・リニューアル品が出揃った。コロナ禍で非常に深刻なダメージを受ける業務用市場においては、導入が思うように進まなかった春夏商品の再提案、主力商品に絞った商品提案が中心となり新商品は必要最低限に留まったと言えるだろう。秋冬新商品の発売はなし、もしくは発表は控えるとするメーカーが目立った。発表商品についてはやはり新型コロナと正面から向き合った商品が多い。外食に対する影響が顕著になる中で、量販惣菜へのシフト、テイクアウト対応、通販向け商品への転換も図られた。

 新商品発表各社の開発コンセプトを見ていくとニチレイフーズは①“おいしい”はもっと進化する「定番品(ハンバーグ、チャーハン、カレー)のご提案」と②For All Customers(業態ニーズにお応えするオリジナル商品のご提案)の2点を掲げた。惣菜向けにはキット商品“Vegedelica”シリーズ、好評の和惣菜“ほっとするおかず”シリーズのラインアップを拡充した。
 味の素冷凍食品は基本方針を「フレッシュフローズンならではのアイデアと技術で、提供者のオペレーション課題を解決する。オペレーション課題を解決しながら生活者のニーズにあった確かなおいしさをお届けする」とした。使い勝手の良いカット済ケーキとスチコンで簡単に大量調理可能な「スチコン唐揚げ」に提案を絞った。
 マルハニチロは定番の野菜かき揚げのプリフライや中華点心類を発売。調理現場で簡便にロスなく提供できる商品を提案した。店内揚げからプリフライへの移行提案を進めることで市場獲得を狙う。
 コロナ禍で惣菜売場のパック売り・袋売りの需要増に対応しコロッケでリニューアルを進めたのが日本水産だ。パック・袋詰め後も衣のサクミが残る仕様にした。極洋も一口サイズのパック売りしやすい「海老カツS30」を投入。「家飲み」需要にも対応する。
 ヤヨイサンフーズは健康訴求の〈イートベジ〉でターゲット市場を、C&C、通販・宅配、ドラッグストアに設定し、見栄えの良い包装形態で提案の幅を広げていく。
 賞味期間の延長に取り組んだのはシマダヤだ。〈α麺〉ゆでのび防止タイプの賞味期間を6カ月から9カ月に延長した。また冷凍食品では家庭用商品と共に賞味期限を年月日表示から年月表示に変更する。
 なお、今回、テーブルマークや日東ベスト、キユーピー、大冷などは発表を見合わせている。十分な商談ができなかった春商品を改めて販促する。
 成長の大きな要因となっていたインバウンドの回復もままならない状況の中、既存ルートを死守しながらの新たなルート開拓は当面続くことが予想される。

20年秋冬業務用新商品

フレッシュストック事業開始 ―― キユーピー

長南社長
会見する長南社長

 キユーピーは4日、同社がフードサービス向けで培ってきたノウハウを活用し、家庭用の青果・精肉・鮮魚、惣菜、日配などの低温売場専用商品の製造販売を担う「フレッシュストック」事業を始動し、2024年までに売上高150億円を目指していく方針を発表した。
 第1弾はグループ各社が販売し、キユーピーが企画開発。調味料、パッケージ惣菜、たまご商品の3つの柱を①青果売場、②精肉・専業売場、③惣菜売場の3つの売場で展開する。
 惣菜向けにはチルド品の「あしたのお惣菜 チキンと豆のごま投入クリーム煮込み」(160g)、「同 チキンと豆のごま豆乳クリーム煮込み」(同)、「同 揚げ物にあうソースタルタルソース」(80g)、「同 揚げ物にあうソース オーロラソース」(同)を8月末よりテスト販売を開始しており、「そのままパクっと食べられるゆでたまご」(1個)を4月よりテスト販売している。販売はいずれもデリア食品。
 また今後は常温品6品をテスト販売していく。
 同日行われたオンライン発表会において説明に当たった長南収社長は同事業について説明、「キユーピーはコロナ禍で新たな食ニーズにお役に立ちたいという強い思いから「フレッシュストック事業」をスタートさせる。現在、共働き家庭のニーズは急速に進化している。高度に多様化したニーズに応えるにはキユーピーのフードサービスで培ったノウハウが役に立つ。オンリーワンの宝庫、他社のまねできない技術もたくさんある。“Ready to Cook""Ready to Eat”そして“プロが認める味作り”でキユーピーは家庭調理のお手伝いを始める。フードサービスをフレッシュストックへ、生鮮売場と中食売場にストックという価値を生み出す」と語った。

他社とのコラボで冷食も検討

 なお、同事業における今後の冷凍食品の取り扱いについては「間違いなく今、冷凍食品は非常にお客様に求められており、伸びているがキユーピーグループにおけるウエイトは大きくはない。自社だけではできないことは他のメーカー様の力を借りながら連携することもでてくると考えている。協業で進めていきたい」とした。

総合1位に「REGALO 芳醇クワトロフォルマッジ」
―― 日本アクセス・レシピ3メディアが選ぶ新商品

全部門で1位
全部門で1位

 日本アクセスは「料理レシピ3メディアが選ぶ新商品グランプリ」を開催、審査結果を8月24日より特設サイトで公開している。総合1位は日本製粉「REGALO芳醇クワトロフォルマッジ」が選ばれた。
 同企画は、「クラシル」「オレンジページnet」「レタスクラブニュース」の各ウェブメディア編集部で、2020年秋冬に発売される新商品を“消費者に近いプロ目線”で評価してもらうもの。加工食品部門、冷蔵食品部門、冷凍食品部門、アイス部門の4部門で実施された。
 冷凍食品部門では、1位は日本製粉「REGALO芳醇クワトロフォルマッジ」、2位は「水餃子」、3位は「シェフの厨房鉄板焼ハンバーグ」であった。
 部門グランプリ以外に3メディア別の賞もあり冷凍食品関係では、「クラシル賞」は、「いろいろ使えるピリ辛肉そぼろ」(ニチレイフーズ)。「オレンジページnet賞」は、「大阪王将たれつき肉焼売」(イートアンド)。「レタスクラブ賞」は、「水餃子」(味の素冷凍食品)がそれぞれ選ばれた。

今年はネットで3日間開催 ―― 味の素冷凍食品・ギョーザステーション

Youtubeでも配信
Youtubeでも配信

 味の素冷凍食品は10月9日~11日まで、「ギョーザ」を焼いて食べる“楽しさ”、“盛り上がり”を体感できるオンラインイベント「ギョーザステーション インターネット店」を開催する。
 「ギョーザステーション」は、テーブル上のコンロとフライパンを使って「ギョーザ」を来店者自身で焼いてもらうスタイルの期間限定店。
 17年から毎年、“幻のホーム”と呼ばれるJR両国駅3番ホーム上に店をオープン。『「ギョーザ」を焼いて食べる“楽しさ”、“盛り上がり”をみんなで一緒に楽しめる』として、連日 3時間待ちとなるほど人気を博している。
 自宅で食事をする機会が増えた今年は、「ギョーザステーション インターネット店」として3日間のオンラインイベントとして開催。
 抽選で選ばれた計 3000人(各日 1000人)に、あらかじめ「おうちでギョーザステーションセット」(「ギョーザ」1袋、オリジナルグラス1個、オリジナル小皿1個)を自宅に届け、当日はオンライン(Zoom)でイベントに参加してもらう。
 イベントでは、オンラインでつながっている1日店長と、焼き上がった「ギョーザ」を“ひっくり返して”盛り上がったり、そのおいしさを一緒に自宅で楽しんで貰う趣向だ。
 また、同イベントの模様は、youtubeでライブ配信する。
 1日店長は、10 月 9 日がかまいたちさん(18:00~19:00)、 10日が、HIKAKIN とMasuoさん(17:30~19:00)、11日が、トリンドル玲奈さん&トリンドル瑠奈さん(19:00~20:30)。

■キャンペーンも開催

 また、これに先立ち、9月15日~11月15日まで「#おうちでギョーザステーションオリジナルグッズが当たる!」キャンペーン(1000名)も実施する。

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
黒田ビル2階