攻めの商品戦略明確に、家庭用は“素材”に注目 ―― ニチレイフーズ・秋新商品
ハバネロ&ハラペーニョ入りBBQソース仕上げ
北海道男爵のじゃがバター
ニチレイフーズは、14日、20 年家庭用秋季新商品8品・リニューアル5品、常温食品1品、業務用新商品18品・リニューアル商品9品、常温食品1品の計42品を発表した。新型コロナ感染の終息が見えない中、例年と違い同社ウェブ上での発表となった。冷凍食品業界でも「Withコロナ」戦略が模索される中、注目が集まるリーディンカンパニーニチレイフーズの秋冬の新商品動向。家庭用には、初の料理素材商品「いろいろ使えるピリ辛肉そぼろ」を提案。業務用も春の新商20品に迫る18品を上市。攻めの商品戦略を明確にした。
家庭用は、巣篭り需要が高まる中、「食卓」「個食」「料理素材」をテーマに、新しい価値を持った商品や使い方を提案。拡大する冷凍食品マーケットのさらなる牽引をテーマにおつまみにも食卓にも使えるハバネロ&ハラペーニョ入りBBQソースで仕上げた旨辛味のフライドチキン「旨辛チキン」や初の冷凍調味料材商品「いろいろ使えるピリ辛肉そぼろ」を提案。業務用は、“おいしい”はもっと進化する「定番品(ハンバーグ、チャーハン、カレー)の提案」と「For All Customers」の2点を掲げ業務用業界を応援する。特に惣菜向けを強化、和惣菜“ほっとするおかず”シリーズに6品を投入。ラインナップを拡充し、新型コロナで変わる食に素早く対応する姿勢を示した。
300g米飯を拡充 ―― テーブルマーク
ニンニクをガツンと効かせた
テーブルマークは14日、2020年秋季家庭用冷凍食品商品を発表した。新商品は5品、リニューアルは8品(パッケージリニューアル2品含む)の計13品を9月1日より発売する。
米飯では、1人前300g食べ切りサイズシリーズに「ビーフガーリックライス300g」を追加。にんにくの香りをガツンと効かせたガーリックライスに、味付けした牛肉を加え、食べ応えのある一品に仕上げた。袋のまま電子レンジ調理が可能な即食・簡便性も追求した。300g米飯は、今回の新商品により既存品「炎の炒飯」「Wチーズのチキンライス」「スパイシージャンバラヤ」と合わせ4品となる。食卓惣菜では、〈いまどき和膳〉シリーズに「しいたけの肉詰め」を追加。肉厚でジューシーなしいたけに、国産若鶏のひき肉を詰め、天ぷら衣でふっくら揚げた。かつおと昆布の2種のだしを使用した特製和風だれの旨みがしいたけに合う。弁当商材では「ベーコンエッグ風」「国産若鶏のチーズ竜田揚げ」「国産若鶏の旨だれチキンカツ」の3品を投入する。「ベーコンエッグ風」は、鹿児島県産のふわふわ卵を弁当に詰めやすいサイズと形状に仕上げ、四角いベーコンと一緒に焼き上げた。「国産若鶏のチーズ竜田揚げ」は、チーズソースを包んだ国産若鶏のむね肉に、塩こんぶを加え、竜田衣でカラッと揚げた。「国産若鶏の旨だれチキンカツ」は、国産若鶏のむね肉に3種の国産野菜を加えたチキンカツを特製焼肉ダレにくぐらせた。
麺では、「丹念仕込み本場さぬきうどん3食」を同社主力の「さぬきうどん3食・5食」と連動感がでるように商品名のさぬきうどんの文字を丸で囲むデザインに変更。「ミニパックさぬきうどん6食」は、量目が伝わりやすいパッケージに変更した。具付麺では、季節限定品として「かぼちゃほうとう」をだしに深みのある味わいのつゆにリニューアルした。
市販用冷凍とろろ〈産地限定〉を立ち上げ ―― マルコーフーズ
量販や通販、道の駅などでも販売
石川本部長
マルコーフーズは8月1日、市販用冷凍食品の新ブランド〈産地限定〉シリーズを立ち上げ、冷凍とろろ計7品を発売する。
今回発売するのは、長芋原料の冷凍とろろ「十勝産長芋とろろ」「青森県産同」「長野県産同」(いずれも40g×4食入、想定売価税別289円)3品と、大和芋原料の冷凍とろろ「群馬県産大和芋とろろ」「千葉県産同」「埼玉県産同」「栃木県産同」(いずれも40g×2食入、同248円)4品。量販店や通販向けのほか、物産展や道の駅などに向けても提案を進める。
全国に契約産地を持つ同社の強みを生かして、商品ごとに原材料の産地を絞り込んだ。包装には、産地ごとの「ご当地キャラ」も掲載して、産地がわかる、トレサビリティの取れたとろろであることを伝える。いずれも自然解凍・流水解凍に対応。1食分にピッタリな40グラムの小袋入りなので、必要な分だけ解凍して簡単に使用できる。
同シリーズを立ち上げた狙いについて石川弘二営業本部本部長は、「生産者との取組を強化する中で、地域に根ざした商品を提供したいという思いが生まれた。産地別のとろろを計7品ラインアップすることで、例えば北海道の店舗では十勝産のブランド長芋“十勝太郎”を使った長芋とろろを販売し、千葉県の店舗では粘りの強い県内産の大和芋とろろを提供するなど、店舗の商圏に合わせた商品を提供できる」とした。
市販用冷食の構成比を5割に引き上げ
マルコーフーズは今期より、市販用冷凍食品の展開を強化する。8月1日に発売する〈産地指定〉シリーズを皮切りに、8月中旬には新たなブランドも立ち上げて、現在の市販用比率30%~40%を50%まで引き上げる。コロナ禍で、調理に手間がかからず、解凍後にそのまま食べられる冷凍食品の需要が高まったことを受けて、市販用冷食事業に力を入れる。6月に本紙の取材に対して、石川本部長が明らかにした。
石川本部長は、「家庭内で食事を摂る生活者が増えたことで、長芋・大和芋の市場が拡大している。当社の市販用冷凍とろろも、商品によっては売上の伸長率が3割を超えている。今後も調理が簡便で味わいの良い市販用冷食は需要の拡大が見込まれるので、商品開発に力を入れたい」としている。
男性向けに「Wカルビ飯」 ―― 日本水産
あとひく旨辛
日本水産は16日、2020年秋・冬新商品を発表した。家庭用冷凍食品は新商品8品、リニューアル5品の計13品を9月1日より発売する。今回は「内食・中食ニーズの高まり」「簡単調理」コンセプトに提案した。
伸長している米飯カテゴリーでは、「Wカルビ飯」(430g)を投入する。牛肉と豚肉のダブルカルビを使用した、旨辛のピラフ。コチュジャンや豆板醤、唐辛子の辛みとコクであとひく味わい。具材にはにんにくの芽と大きめにカットしたたまねぎを使用。メインターゲットは男性向け訴求する。
具付き麺では、〈わが家の麺自慢〉シリーズに「野菜を食べる中華そば」をラインアップする。1日に必要な野菜の2分の1の量が入った野菜たっぷりの醤油ラーメン。メインターゲットに健康志向の高齢者向けに提案する。
食卓惣菜の〈今日のおかず〉では、服部栄養専門学校監修のだしにこだわった和惣菜小鉢メニューを新提案、「きんぴらごぼう」、「ひじきの煮つけ」、「ほうれん草のごまあえ」「卯の花」の4品を投入。パッケージ前面に「電子レンジで40秒」を記載し、簡便性があり、もう一品に便利なおかずとして訴求する。
好評の「若鶏旨だれから揚げ」には、500gタイプを新たに追加した。
弁当商材の〈ほしいぶんだけ〉シリーズでは、フォンドヴォーを使用した、コクの旨み豊かな「デミグラスソースコロッケ」を投入する。