マルハニチロ、「ミニピザ」で間口広げる
生地に野菜をねりこんだ
会見はウェブで行なわれた
大手メーカーの秋の新商品発表会がスタートした。先陣を切り、マルハニチロは3日、秋季新商品発表会をウェブにより開催した。秋の新商品は、家庭用冷食27品、業務用冷食24品をはじめ家庭用加工食品など合計44品を投入。家庭用冷食では、巣ごもり需要が拡大した洋風スナックで「ミニピザ」などを投入する。業務用ではプリフライタイプの「手作りサクサク野菜かき揚げ80」などバックヤードの課題に解決した商品を投入する。さらに十分な商談が出来なかった春季新商品も改めて販促を強化していく。
新商品発表会で、池見賢社長は、「我にはいついかなる時にも安全で良質な食を安定的に供給する責務がある。本日、無事に開発担当者の並々ならぬ熱意の下、新商品を発表できた」とコロナ禍の中でも果たすべき使命を強調した。また、今回の秋季新商品は例年に比べて少ないが、半澤貞彦取締役専務執行役員は、「コロナ禍の中、海外、国内生産への生産現場への開発担当者の移動が制限されている中で、残念ながら今回発表を見送った商品もある。例年より大幅に商品数は減少したが、担当者の思いが詰まった商品ばかりである」とした。
家庭用冷凍食品は27品。うち新商品は11品を投入する。共働き世帯、単身世帯の増加やライフスタイルが多様化する中、簡便性と使いやすさを追求し、主食メニューをはじめとした食卓の一品や弁当にも便利な商材を提案する。
一押し商品は、「ミニピザ」。同社オリジナルキャラクター『くまちゃん』の形をした、食べやすいサイズのピザと、「Cheeeees!Pizza」の2品を投入する。巣ごもり需要等や学校休校等で冷凍ピザ等の洋風スナックが拡大。間口が拡大した消費者に向け、朝食や昼食、おやつとしてより手軽に楽しめるタイプと3種のチーズをたっぷり使用したチーズ量の多いピザの2タイプで、冷凍ピザ市場を活性する。
麺類では、<新中華街>シリーズより「酸辣湯麺」をラインアップ。鎮江香酢の上品な酸味と辛さが絶妙なバランスの本格中華麺。
唐揚げでは、日本唐揚協会監修の「海から揚」シリーズを家庭用でも展開。「白身魚のから揚げ」「いかのから揚げ」2品を投入。袋のまま調理可能で、おつまみにもおかずにもなる食べきりサイズ。
弁当商材では、
業務用冷食は7品を投入。プリフライタイプの「手作りサクサク野菜かき揚げ80」などを投入する。定番のかき揚げ市場で、店内での手揚げからプリフライでの提案を広げていく。また、十分な販促ができなかった春季新商品の商材についても再度提案していく。
新会長に香川氏が就任 ―― (一社)日本冷凍めん協会
(一社)日本冷凍めん協会はこのほど、第17回通常総会を書面にて行い、任期満了に伴う役員の改選で新会長に香川雅司テーブルマーク社長が就任した。
香川新会長は就任に当たり「新型コロナウイルスの影響はあるが、私たちが製造する冷凍めんの需要は拡大するとともに、消費者の生活に着実に根付いている。2019年には、生産食数が18億5000万食と過去最高を記録し、今年1~3月でも過去最高を更新している。これもひとえに皆様方の日々のご尽力の賜物であると考えている。今後更なる発展を目指していく。日本の食を支える生活インフラの重要な一端を担う存在として、皆様方のご支援とご協力を仰ぎつつ、意志を持って取り組んでいきたい」と抱負を述べた。
<新役員体制>
▽会長:香川雅司(テーブルマーク代表取締役社長)▽副会長・会長代行・情報委員会:岡田賢二(シマダヤ常務取締役)▽副会長・技術委員長:白潟昌彦(キンレイ常務取締役生産本部長)▽副会長:小谷茂(日清製粉常務取締役営業本部長)▽同:木村富雄(日本製粉常務執行役員製粉事業本部長)▽同:大峯茂樹(全国製麺協同組合連合会会長)▽専務理事:那須保信(日本冷凍めん協会常勤)▽理事・会計担当:恩田宏(フレッシュ・フード・サービス取締役社長)▽同:斎藤和巳(東洋水産低温食品部部長)▽理事:吉田広之(日清食品冷凍代表取締役社長)▽同:飯塚茂雄(ママーマカロニ代表取締役社長)▽同:西山隆司(西山製麺代表取締役社長)▽理事・相談役:新倉英隆(オリエンタル酵母工業特別顧問)▽同:前場敏男(全国製麺協同組合連合会理事)
▽監事:宮田精久(日本製粉執行役員食品事業本部副本部長、日本リッチ代表取締役社長)▽同:堀敬祐(堀敬祐公認会計士・税理士事務所所長)
秋新商品に「ザ★」第3弾 ―― 味の素冷食・下保専務
味の素冷凍食品の下保寛取締役専務執行役員は、6月23日に行われた「20-22年度中期経営計画」の説明会で19年度商品動向及び新組織体制に関して要旨以下の通り述べた。
現在POSデーターでトップ10の内5品を当社が占める。一つ一つの商品を丁寧に作り、生活者のニーズに応えることを続けたことが評価されている。5品の内2品は「ギョーザ」「しょうがギョーザ」。この2品は引き続き好調で2桁成長し、NO1シェア(約50%)を堅持している。要因は様々考えられるが、「楽しさ」を演出してきたことが奏功しているように思える。「安心・安全」「手軽さ」がベースとしてあるが、19年度は「ギョーザーステーション」などのイベントやTVCMを通じて「ギョーザ」を作る楽しさ「みんなで食べる楽しさ」を訴求したことが受け入れられ、餃子メニュー全体が盛り上がる状況を創ることができた。
また、15年に発売した「ザ★チャーハン」16年に発売した「ザ★シュウマイ」2品とも手を携えるように成長している。19年に「ザ★チャーハン」の休売があったが、全体として2桁成長を続けている。今秋「ザ★」シリーズ3弾を発売する予定だ。
春に「やわらか若鶏から揚げ」を改訂した。3大アレルゲン不使用としPOS10に入った。「美味しくなった」こと、「3大アレルゲン不使用」としたことが高い評価を得ている。「アレルゲン不使用」に対しては子を持つ親と絆が結ばれている。SNS上で非常に感謝され「家族で同じものを食べられないつらさが克服できてうれしい」という言葉を貰い勇気を得ている。「3大アレルゲン不使用商品」の拡大を今後も続けていく準備をしている。
19年度は体幹を鍛えるということでやってきた。20年~22年は引き続き基盤を強くし、構造を強くする仕事を続けながら中長期的な成長のために様々な種を撒きたい。
新組織に関して話したい。国内営業統括は、国内営業のリーダーを一人置き、リーダーシップ強化を進める。新事業開発部は、2、3年後のFFAの成長性を考えた新しい種を撒くための部署だ。冷凍食品の可能性は無限にある。新型コロナでそれを再認識させられた。その無限の可能性を広げるために新しい事業にチャレンジするチームをマーケティング本部の中に作った。マーケティングDX推進室はデジタルを推進するチーム。味の素Gとも連動しながら生活者をより理解するため、デジタルを使ってコミュニケーションを図っていく。また、小売、卸、外食が持っているデータやビックデータをうまく使いながら仕事をしていく。
即席麺工場を寿がきやに譲渡 ―― テーブルマーク
加ト吉水産群馬工場
テーブルマークは6月30日、グループ会社の加ト吉水産㈱がカップ麺、袋麺などの即席麺を製造している群馬工場(群馬県高崎市)について2021年6月末付で、寿がきや食品㈱(愛知県豊明市・菅木伸一社長)に譲渡することで合意し、契約を締結したと発表した。譲渡額は非公表。
テーブルマークは、2004年に即席麺事業を取得して以来、加ト吉水産群馬工場で「ホームラン軒」ブランドを中心に数々の即席麺商品を同工場で製造し、販売している。
寿がきや食品は、国内外に有力な外食展開を行っているスガキコシステム㈱のグループ中核企業。同社のもと、即席麺製造を担うことで同工場の力が最大限生かせるとの結論に至り、譲渡を決定したもの。
同工場の土地建物、機械設備一式を譲渡後、同工場の従業員は寿がきや食品に転籍予定。同工場で製造する「ホームラン軒」などテーブルマークブランド商品は、寿がきや食品に製造を委託し、引き続きテーブルマークが販売する予定。
【加ト吉水産㈱フーズ部群馬工場概要】▽群馬県高崎市新町2330-26▽事業内容:カップ麺、袋麺など即席麺の製造▽稼働開始:1975年8月▽延床面積1万1395・90㎡▽従業員数:70名(20年6月現在)▽FSSC22000