冷凍食品新聞社 発行日(週刊・毎週月曜日)購読料1年33,600円(+税)昭和44年6月19日第三種郵便物認可

今週のヘッドライン|2020年6月第5週号

次期計画の課題明確に ―― 味の素冷食19年度業績

黒崎社長
黒崎社長

 味の素冷凍食品(FFA)は23日、同本社で2019年度業績および「2020―2022年中期経営計画」を発表、黒崎正吉社長がそれぞれ概要を説明した。19年度、業績に関しては、国内の事業利益が前年比150%と大幅に伸長、18年度の落ち込みからV字回復を果たした。中期経営計画では、今後グループのコア事業となるべく国内外合わせて390億円の投資を図り「事業構造の強化を図る」(黒崎社長)ことを表明した。

 19年度業績に関して黒崎社長は「19年度はFFAにとって良い1年であった。成果がきちんと出たことに加えて、将来に向けた様々な課題が明確になったからだ」とした上で以下の通り振り返った。
 課題に関しては全て洗い出しをして、中期経営計画に反映させ、常に進化させていく。
 FFAの国内売上高は、若干だが前年を上回った。家庭用は対前年比106%強、業務用は95%。共に予算はクリアした。
 FFAの売上の1割を占めるタイ、中国が厳しかった。特に中国から米国に輸出している商品は米中関係の悪化による関税の上昇が影響した。タイから欧州への輸出商品も為替の関係で厳しかった。海外の売上は若干落ちたがFFA全体としては、前年比99・5%で着地した。
 一方、BP(事業利益)は、FFA国内は、前年比150%、同海外は同40%と落ち込んだものの全体としては同138%で着地した。18年度は厳しかったが、確実に回復基調に入ることができた。第4四半期にBPが落ちたが、20年度に向けて必要な金をマーケティング投資したこと、一部あった古い原料(ケーキ用かぼちゃ)を処分したことなどによるもので計画通りの着地。予想外に落ちた訳ではない。
 3月の新型コロナの影響は、国内は大きくなかった。家庭用が伸び、業務用が落ちた。家庭用に関しては、生活者に公平に供給できることに主眼を置いて生産対応した。
 海外事業に関しては、FFA(中国、タイ)に加えて北米と欧州で展開している。私がトップを務める味の素冷凍食品事業部が管轄している。事業利益は、北米は伸長したものの、欧州は大きく落ち込んだ。結果、前年比40%となった。北米も欧州も日本よりはるかにコロナの影響を受けている。北米、欧州で約6億円弱の利益減となった。コロナがなければ確実に前年を大きく上回っていた。全売上は前年並み。
 味の素Gは今期から事業の括りが変わった。食品本部、アミノサイエンス本部という基本編成はは変わらないが、食品本部は、これまでは国内食品と海外食品で分けていたが、今期から調味料、加工食品(国内、海外)、冷凍食品(国内、海外)とした。冷凍食品事業を明確にすることで今後グループのコア事業とする。

考え、行動し、変化に対応 ―― 凍菜協・川﨑会長

凍菜協・川﨑会長

 輸入冷凍野菜品質安全協議会(凍菜協、川﨑順司会長)はこのほど、2020年の事業計画、役員選任など5議案を会員に諮り、全議案を可決した。新型コロナウイルスの影響で総会は開催せず、会員に書面を送付して承認を受けた。
 各議案のうち、「役員・委員会役員選任」では、川﨑順司会長など役員全員の再任を議決した。「新規会員の加入について」では、新規会員として松田産業(東京都)、神戸物産(兵庫県)が加入することを決議した。会員社は20社となった。
 「20年度事業計画(案)」では、今年度事業として、9月下旬に幹部企業懇談会を、10月中旬に定例会・勉強会を、11月下旬に日台安全会議を行うことなどを決めた。台湾で実施予定の日台安全会議について、開催地域は未定としている。
 各議案の議決に伴い川﨑会長が挨拶文を寄せ、「コロナ禍で世界中のすべてのコト・モノに変化が起こる中で、食の受給バランス、生活者の食に対する考え方も変わってきている。協議会として輸入冷凍野菜業界に何ができるか、しっかり考え、行動し、変化に対応していく」とした上で、6月より施行された容器包装のポジティブリスト制度への適正な対応、中国・台湾とのパートナーシップの強化、会員企業同士のより一層の連携などを呼びかけた。

残留農薬基準強化の経過措置、1年間に

 また、昨年9月24日に厚労省・生活衛生局食品基準審査課長宛に残留基準値改正における経過措置期間を1年にするよう要望書を提出し、このほど回答を受けたことを明らかにした。回答の概要は次の通り。
 ▽意見募集をしているものも半年から1年に変更して実施をしている▽食衛法施行に合わせて6~7月に告示分から1年の経過措置に変更する予定だ。

自社デリバリー開始 ―― ワタミ

ワタミデリバリー事業開始
テリー氏と渡邉社長

 ワタミは7月1日、デリバリー戦略として自社配達の「ワタミデリバリー」を立ち上げ、事業を開始する。対象業態は、同社が展開する外食事業の中でも特に中食需要の高い、「から揚げの天才」(TO比率90%)、および韓国発祥フライドチキンブランドのFC「bb.qオリーブチキンカフェ」の2業態。7月1日より、同2業態の大鳥居店を皮切りに、配送対象店舗を拡大していく。
 「ワタミデリバリー」の手数料設定は、購入額1500までが350円、1501円~3000円が200円で、3001円以上は無料という3段階。自社人員で配送を賄うことで、外部サービスの活用によるデリバリーよりも大幅に価格を抑えた。
 また、店舗側が手数料を支払う必要もなくなることから、本格FC展開を図っている「から揚げの天才」においては、フランチャイジー側もメリットを享受できる、としている。
 22日、東京・大田区の同社本社で行った、「ワタミデリバリー事業開始」記者会見に出席した、渡邉美樹社長とテリー伊藤さんは次のように述べた。
 渡邉社長「から揚げの天才がデリバリー比率4割以上、bb.qが2割以上の規模となり、自社機能でデリバリーを持った方が良いと判断した。お好み焼宅配の経験、ノウハウが生きている。自社でやると最安値を実現できる。配達人材の確保には問題を感じていない」。
 伊藤氏「チキン99円販売は安いが、デリバリーになると割高なことはおかしいと渡邉社長に伝えたところ、すぐに開発していくれた。コロナで家で食べる方が楽で安心というのはこれからの主流になる」。

理研ビタミンとコラボ ―― ミツハシ

パクッ!とおにぎり第2弾
パクッ!とおにぎり第2弾

 ミツハシは7月1日より、冷凍食品〈パクッ!とおにぎり〉シリーズ第2弾商品として理研ビタミンとコラボレーションした「素材力だし(R)鰹だしむすび2個入り」(50g×2)を発売する。
 同商品は多くの家庭で親しまれている理研ビタミン「素材力だし(R)本かつおだし」を贅沢に使用した、もち麦入りの鰹だしむすび。かつおだし本来の風味や旨味を生かした、子供から大人まで安心して食べられる無添加おにぎりとなっている。
 健康素材として注目されるもちもち、ぷちぷちとした食感が人気のもち麦入り。50gのプチサイズでパクッとつまめるので、忙しい朝や昼、夜食など、様々なシーンで手軽に食べられる。

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
黒田ビル2階