ポストコロナ睨み施策 ―― 日本アクセス
佐々木社長
日本アクセスは1日、東京・大崎の本社で、2020年3月期決算説明会を開催した。説明会で会見した佐々木淳一社長は決算報告と、同社の2020年度施策について説明した。同社の20年3月期業績は増収増益で着地した。今期も増収増益の計画を策定する。ポストコロナによる事業環境の変化を見据え、6つの重点課題を中心に、新しい消費者のライフスタイルに合った新規ビジネスも積極的に取組んでいく。特に物流については、新たに「冷凍マザーセンター構想」を掲げ、冷凍物流の全体最適化に向けた動きをスタートする。
日本アクセスの2019年3月期業績は、売上高2兆1543億9200万円(前期比1・1%増)、営業利益207億9400万円(同8・5%増)、経常利益213億5500万円(同8・9%増)、当期純利益140億9900万円(同14・7%増)と増収増益となった。
経常利益は物流費高騰の影響があるものの、売上増や売上総利益の改善、ロジスティクスの効率化により増益となった。売上高に対する経常利益率は1%となった。
温度帯カテゴリーの売上は、ドライ8105億円(同1・6%増)、チルド6936億円(同2・4%増)、フローズン4378億円(同2・0%減)、物流収入・その他2125億円(同0・7%増)。フローズンのうち市販用冷食は1171億円(同1・0%増)、アイス1206億円(同2・4%増)。チルドのうち洋日配・乳製品4212億円(同3・6%増)、和日配1716億円(同4・7%増)。チルド、冷凍、生鮮などを合わせた業務用商品・生鮮商品は5145億円(同2・2%減)となった。
今期は新型コロナウイルス感染症の影響が上期で収束することを前提とした計画として、売上高2兆2000億円(同2・1%増)、経常利益200億円(同3・2%増)、当期純利益145億円(同2・8%増)を計画する。
説明会の席上、佐々木社長は今期の経営方針について、「今期は第7次中期経営計画の3年目の最終年度に当たるが、コロナ禍の中で、ポストコロナの事業環境に大きな変化が生じている。中計は、前倒しで達成したと考え、今期は1年の短期経営計画とする。働き方改革、業務改革を推進する。またコロナ禍で見えてきた新しい消費スタイルに合った新規ビジネスへ積極的に取組んでいく」とした。
2020年度経営方針は①フルライン卸戦略の実行②商品開発と販売の強化③次世代ビジネスへの取組強化④生鮮・デリカ・外食・海外事業の拡大⑤ロジスティクス戦略の実行⑥働き方改革・サスティナブル経営推進の6つの重点ポイントに取組む(詳細を本紙に掲載)。
UDF生産量が倍増 ―― 介護食協
日本介護食品協議会(森佳光会長、会員86社)は1日、2019年1~12月の「UDF生産統計」を発表した。それによると、生産量は5万8387t(前年比141・5%増)、生産額430億4400万円(同50・3%増)と著しく増加した。
タイプ別で「冷凍タイプ」は、1万6887t(同44・0%増)、149億300万円(同28・0%増)と引き続き市場拡大を牽引した。冷凍タイプは99%以上が業務用ユースであり、病院・施設での給食において「容易にかめる(区分1)」、「歯ぐきでつぶせる(区分2)」の活用頻度が高まっている。
区分別では、①「容易にかめる」が生産量3万5664t(同469・1%増)、生産額160億2600万円(同201・9%増)。②「歯ぐきでつぶせる」が6294t(同119・2%増)、46億3100万円(同73・4%増)。③「舌でつぶせる」が8515t(同7・4%増)、90億2500万円(同8・8%増)。④「かまなくてよい」が4050t(同14・7%増)、43億2100万円(同17・7%増)。
①「容易にかめる」の急増は、市販用UDFに食パン製品などが新たに登録されたことによるもの。②「歯ぐきでつぶせる」が、業務用において従来介護食品としても活用実績のある製品がUDFを取得したことが寄与した。
④「かまなくてよい」についても引き続き好調に推移していることから、在宅でのミキサーやペースト食の調理で、介護者の負担軽減の観点から引き続き積極的に活用されていることがうかがえる。
販売先別は、市販用が生産量3万4488t(同454・5%増)、生産額197億3200万円(同109・5%増)。業務用は2万3899t(同33・1%増)、233億1200万円(同21・3%増)だった。市販用・業務用比率は59・1%対40・9%。市販用パン製品の増加により比率は大きく変わった。
凍菜新工場が稼働 ―― びえいフーズ
びえいフーズ新工場
びえいフーズは、北海道上川郡の本社敷地内に冷凍野菜新工場「農産物処理加工施設建屋」を新設し、5月18日に竣工式を執り行った。投資金額の31億200万円のうち、12億円超は産地パワーアップ事業の補助金を受けた。
新工場は敷地面積5万2800㎡に新設した一部2階建て延床面積4448㎡の施設。製造ラインは、冷凍野菜の製造施設。馬鈴薯、スイートコーン、ニンジンの処理加工ライン2系統を備えている。
新工場を「清潔区」に、既存工場を洗浄や皮むきなどの下処理を行う「汚染区」に設定することで、効率化と衛生管理の向上を図った。