光陽新建屋が稼働、冷凍麺を生産、環境負荷低減 ―― テーブルマーク
フードディフェンスも強化
テーブルマークグループの製造グループ会社(株)光陽(愛知県豊川市・吉岡勝也社長)の新建屋がことほど完成し、5月24日より稼働を開始した。同社は、テーブルマークグループの冷凍玉麺・具付き麺製造工場として、1992年より冷凍麺を製造しており、近年需要が高まっている個食タイプのお皿がいらないトレー付商品も製造している。今回の新社屋では旧建屋からのライン移設及びテーブルマーク国内工場からのライン移管を実施する。
テーブルマークでは、持続的な利益成長の実現を図るべく、より効率的な供給を可能とする生産体制の構築を目的に2017年より同社及びグループの国内既存工場を対象に新工場棟の設立・新規ラインの導入及び既存ラインの移設を進めている。今回の新社屋建設はその一環として実施した。
新建屋では、旧建屋の製造機能を新社屋に移転。新社屋は食の安全、環境に配慮した新たな取組も導入した。環境の取組みでは、ボイラーに使用する燃料を重油から都市ガスに切り替え、グリーンエネルギー化を推進するともに、地域環境負荷低減に努める(燃料の切り替えによるCO2排出量は同社従来比で約30%削減を見込む)。さらに製品を冷凍及び保管する設備には環境にやさしい自然冷媒を使用した冷凍機を導入した。
また食の安全への取組みとしては、新社屋では、更なるフードディフェンスの強化を図るため、新たに製造エリアへの出入口のセキリュリティシステムとして虹彩認証を導入する予定。
光陽の吉岡社長は新建屋完成に当たり、「今回の新社屋完成により、食の安全管理や環境負荷低減について大きな進化を図ることができた。今後もこの地より、安全かつ安心いただける商品をお届けし、引き続き冷凍麺市場のニーズに応えていく」としている。
【光陽新建屋概要】▽住所:愛知県豊川市上長山町小南口原83▽敷地面積:3万8205㎡▽建築面積:7274㎡▽延床面積7、267㎡▽構造:鉄骨造▽製造品目:冷凍麺(うどん、ラーメン、スパゲティ)の製造及び販売▽従業員数:121人(20年4月末)▽認証取得:FSSC22000
調査開始以来最低の数値に ―― 外食・4月度
(一社)日本フードサービス協会は5月25日、4月の外食産業市場動向調査結果(店舗数=3万7982店)を発表した。全店ベースの売上高は60・4%と、1994年の当調査開始以来最大の下げ幅に。客数59・9%、客単価100・8%。客数の減少をそのまま反映した。
4月度は、「緊急事態宣言」が16日には全国へと拡大され、休業・営業時間短縮といった新型コロナウイルスの影響を前月以上に大きく受ける、深刻な事態となった。
パブは前年比4・1%、居酒屋は9・7%と一桁台、またディナーレストランは16・0%、喫茶は27・6%と壊滅的な打撃を受けた。
業態別概況でファストフードは、洋風102・8%、和風84・2%、麺類45・4%、持ち帰り米飯・回転寿司78・4%。他業態に比べテイクアウト、宅配、ドライブスルーなどの「持ち帰り」需要に対応する基盤が整っており、全体売上は84・4%に踏みとどまった。
ファミリーレストランは40・9%とFFの倍以上の落ち込みに。洋風40・8%、和風35・1%、中華62・5%、焼肉30・9%と、高齢者層が出控えた和風は影響が一段大きかった。中華は餃子などのテイクアウト・デリバリーが下支えとなった。
業態別の売上高前年同月比は、FF84・4%、FR40・9%、DR16・0%、パブ4・1%、居酒屋9・7%、喫茶27・6%。
事業利益が過去最高 ―― 味の素・3月期
味の素は5月27日、2020年3月期業績を発表した。売上高1兆1000億3900万円(前期比1・3%減)、事業利益992億3600万円(同6・4%増)、税引前当期純利益487億9500万円(同10・8%減)、当期利益289億6900万円(同25・7%減)。減収ながら事業利益は過去最高となった。
セグメント別業績は、日本食品売上高3753億円(同0・1%増)、事業利益328億円(同9・9%増)、海外食品売上高4776億円(同0・8%減)、事業利益488億円(同15・5%増)。日本食品のうち冷凍食品の売上高は977億円(前期比4億円増)、事業利益41億円(同37億円減)、海外食品うち冷凍食品売上高1131億円(同22億円減)、事業利益8億円(同4億円減)。
国内冷凍食品の内、家庭用は「ギョーザ」を中心とした主力カテゴリーの販売継続等により増収。業務用は主力カテゴリーの販売が拡大するものの一部製品が前年の販促影響等を受け減収、全体では前年並みとなった。海外は、北米・欧州に於けるアジアン製品の販売が引き続き拡大したが、換算為替の影響やアモイフード社の売却の影響などにより減収となった。
2021年連結予測は、売上高1兆480億円(同4・7%減)事業利益780億円(同21・4%減)、当期利益225億円(同19・4%増)を見込む。
その内冷凍食品売上高(国内、海外)は1874億円(同41億円減)。新コロナウィルスの感染拡大の影響により、国内はギョーザ等の主力カテゴリーの家庭用需要が伸長する一方、業務用は外食・給食向け中心に大幅な需要減が予想される。同様に海外も家庭用で需要が増加するも業務用の需要が大幅に減少する見込みだ。
21年度冷食事業に対する新型コロナウイルスの影響見通しは、日本売上高37億円減、事業利益10億円減、海外売上高170億円減、事業利益41億減を見込む。
新社名ニップンに ―― 日本製粉
日本製粉は5月25日、6月26日開催予定の同社196回定時株主総会で承認されることを条件として、会社名(商号)を株式会社ニップン(英語表記はNIPPN CORPORATION)とすることを決議した。変更予定日は2012年4月1日を目途とするが、2020年9月末までに開催される取締役会において決定する。
創立以来の会社名を変更することにより、新たに、名実ともに多角的総合食品企業として成長することを目指していく。「ニップン」を新社名に用いて、親しみを持ってもらえる会社として更なる発展を図る。
持株会社制に移行、イートアンドHDに ―― イートアンド
イートアンドは5月19日、2020年10月1日メドに持株会社体制に移行すると発表した。
移行方法は、同社を分割会社として、分割する事業を同社完全子会社として新たに設立する予定の準備会社に承継。またイートアンド(株)は「(株)イートアンドホールディングス」に変更し、持株会社として引き続き上場を維持する。
今回設立する4社分割準備会社は、冷凍食品の製造及び販売を行う「(株)イートアンドフーズ」(2020年3月期部門売上高149億円)、外食事業のFC本部及び店舗運営を行う(株)「大阪王将」(同113億円)、ベーカリーカフェ業態のFC運営及び店舗運営を行う「(株)アールベイカー」(同21億円)、海外FC本部及び店舗運営を行う「(株)イートアンドインターナショナル」(同6600万円)。この4社がホールディングスにぶら下がる。
なお、決算期についても今期より3月末から2月末に変更。それにより今期は、2020年4月1日~2021年2月28日の11カ月決算となる。