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今週のヘッドライン|2020年5月第2週号

増収、営業・経常も増益 ―― ニチレイ・3月期

 ニチレイは12日、2020年3月期業績を発表した。連結売上高5848億5800万円(前期比0・8%増)、営業利益310億3500万円(同5・2%増)、経常利益317億7700万円(同6・4%増)、当期純利益196億900万円(同1・7%減)となり、増収も固定資産除去損など総額24億8900万円の特別損失により当期純利益は減益となった。

 セグメント別では加工食品の売上高2347億8100万円(同3・6%増)、営業利益167億2500万円(同14・6%増)、低温物流2064億9600万円(同2・7%増)、営業利益118億2400万円(同3・7%増)、水産売上高657億7200万円(同7・7%減)、営業利益4億4300万円(同143・0%増)、畜産売上高883億2700万円(同3・0%減)、営業利益9億500万円(同37・6%)減となった。
 加工食品のカテゴリー別売上高は、家庭用648億3100万円(同7・5%増)、業務用調理品995億3400万円(同1・2%増)、農産加工品197億9700万円(同2・5%増)、海外348億4100万円(同6・7%増)。
 家庭用調理品は、TVCMなどの販売促進活動や製法の改善による商品リニューアル効果もあり、「本格炒め炒飯」「特から」など主力商品が前期に引き続き好調に推移。また、19年に発売した「手羽から」「ささみソースカツ」なども売上増に寄与した。業務用調理品は需要が堅調に推移する中食向けに発売している簡便調理商品や、業態別ニーズに合わせた商品開発に注力。販売面では主力のチキン加工品や春巻類の新商品が伸長した。農産加工品は、加工方法や品種選定の差別化を図った商品開発を進め、ブロッコリーなど「そのまま使える」シリーズやほうれん草、枝豆類の取り扱いが好調だった。海外は、北米イノバジアン社において、積極的な販促活動により、家庭用商品や中食向け業務用商品が伸長した。
 2021年3月期連結予想は、売上高5900億円(同0・9%増)、営業利益315億円(同1・5%増)、経常利益315億円(同09・%減)、当期純利益200億円(同2・0%増)、営業利益率5・3%を見込む。
 セグメント別では加工食品売上高2380億円(同1%増)、営業利益170億円(同2%増)、低温物流売上高2095億円(同1%増)、営業利益116億円(同2%減)

 ●コロナ影響、25億円程度見込む

 同社では、新型コロナウィルスによる業績予想に関して、国内では加工食品、海外では欧州の低温物流において、主に業務用向けの取扱い減少などが第2四半期まで続くと想定。グループ合計で25 億円程度の利益影響を見込む。事業規模的に取扱いの大きい加工食品が最も影響を受けると想定。これらのマイナス影響に対して「旺盛な需要のある内食・中食向けの拡販や、量販店向けの仕分け・配送を請け負うTC事業(通過型センター)の取扱い拡大に加え、一般管理費などのコストマネジメントを徹底し、カバーする」としている。

デジタル化を加速させる ―― 三菱食品・森山社長

三菱食品・森山社長

 三菱食品の森山透社長は11日にリモート方式で行った決算説明会の席上、今年度の方針など要旨以下の通り述べた。
 2019年度は物流コスト増、小売業の業態を超えた競合激化などで厳しい状況が続き、今年2月に業績予想の下方修正を発表した。しかし、新型コロナウイルスの影響により予想数値から上振れした。だが、利益率の減少は変わらない。今期は徹底的にコストを削減する。全ての部門で10%削減を行い、スリムで筋肉質な体質にする。
 2020年度施策運営方針では、①卸売事業の再強化②デジタルを活用した構造改革の方向性③持続可能な未来への取組に向けて(SDGs)の3つの観点で取組む。
 卸事業の再強化では、新型コロナにより環境は大きく変わる。ウェブ会議、オンライン商談など営業スタイルが転換している。アフターコロナで元の営業スタイルに戻すのではなく、営業のデジタル化を一気に進めていく。製配販各段階でのオーバースペックなサービス、機能を見直す。
 さらに卸事業に続く新たな事業の柱として、生活者目線での「川上寄り事業」を引き続き強化する。
 物流面では、新型コロナにより物流維持のため納品時間、配送回数減など行った。これを機に取引先と連携した物流与件緩和を継続し、業界全体の物流コスト抑制を行い、この果実はサプライチェーン全体でシェアする。物流のデジタル化を進める。
 デジタルを活用した構造改革の方向性については、データの蓄積・活用、社外パートナーとの共創を通じ、食品流通全体の効率化と価値創出する。社内ではPRA等による業務効率化、社外では各種提案のデジタル化、業界では商品マスタ、照合、EDIなど非競争領域での業界連携を進め、生産性向上、付加価値創出のためデジタル化を推進する。
 当社は7日に本社を移転した。移転を契機に、営業活動、一人一人の仕事の在り方を一気に変える。
 日本の食を支える誇りと自負で一丸となり安定供給を行っていく。終息後の新たな時代に適した事業構造を構築し需要創造に取組んでいく。

究極の冷食「Z'sMENU」 ―― SLC

蟹爪クリームコロッケ
蟹爪クリームコロッケ

 SLCreations(旧シュガーレディ本社)は4月より、同社がこれまで培った冷凍加工技術を駆使し、日本一安心安全で美味しい究極の冷凍食品を目指した新ブランド〈Zs’MENU〉を展開している。
 同ブランドはレンジや湯せん、解凍するだけで食べられる簡便性を持たせながら、使用する素材や製法にもこだわった。「牛肉の赤ワイン煮(ブフ・ブルギニョン)」(税込2400円)、「蟹爪クリームコロッケ」(同2200円)や「大海老XO醤炒め」(同2400円)など和・洋・中・韓・その他のジャンル商品76品目を4月~12月にかけて順次発売していく。
 購入方法は通信販売、店舗販売(グランドフードホール六本木店、芦屋店)および同社担当販売員による宅配。今後は、主要都市の百貨店や他社通販カタログからの販売展開も考えており、初年度には年間3億円以上の売上を見込む。

新社長に塚田専務 ―― 日東ベスト

新社長に塚田専務

 日東ベストは14日開催の取締役会において、代表取締役社長に塚田荘一郎専務取締役営業本部長兼海外事業本部長の就任を決定した。6月26日開催予定の第82期定時株主総会後の取締役会で正式に決定する。また同日付で大沼一彦社長は代表取締役会長に、内田淳会長は取締役相談役に就任する(詳細を本紙に掲載)。

新会長に齊藤国分フードクリエイト首都圏支社長 ―― 市冷協

齊藤会長
齊藤会長

 首都圏市販冷食連絡協議会(市冷協)はこのほど、今年度キャンペーンの実施概要を発表した。また新会長に齊藤顕範氏(国分フードクリエイト首都圏支社長)が就く役員体制の変更も発表した。
 普及キャンペーンは、5月に「消費者キャンペーン」、6月に「全公立展試食会」を行う予定だったが、「全公立展試食会」は、全公立展の開催中止を受けて中止とした。
 「消費者キャンペーン」は、当初5月18日~7月17日実施を秋以降に延期する。冷凍食品100周年イベントは、キャンペーンの秋延期に伴って見送り、消費者キャンペーンに特化する。
 役員体制では、新副会長に菅野進氏(三菱食品低温事業本部戦略オフィス室長)、新会計監事に戸田将一氏(日本アクセス関東商品部商品第2課)が新たに就任した。
 齊藤新会長は、「本年は冷凍食品100周年の記念すべき年。賛助会員の皆様と共に今後も市販用冷凍食品の普及啓蒙活動を行っていく所存です」とコメントしている。
【役員体制】▽会長 齊藤顕範(国分フードクリエイト)▽副会長 菅野進(三菱食品)▽会計監事 戸田将一(日本アクセス)▽会計副監事 宮前昭仁(ケイ低温フーズ)▽顧問 岡村智

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