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今週のヘッドライン|2020年5月第1週号

冷食強化進む、スカスカ撲滅で効率化 ―― CGCグループ

浦橋チームリーダー
浦橋チームリーダー
ミールキットも充実
ミールキットも充実

 シジシージャパンの浦橋健次郎日配事業部冷食チームリーダーは本紙に対しCGCグループにおける現在までの冷凍食品販売状況および品揃えや商品開発、売場での取り組みについて語った。包装縮小や縦型化による「スカスカ撲滅」運動により売場効率は大きく改善、またグループの原料調達力を生かした商品開発も進む。競合が激化する中、今後、目指すべきは“料理をサポートする冷凍食品”により差別化を図っていくこと。素材から一段加工度の高い商品として冷凍食品の活用を訴えていく。

 浦橋チームリーダーは3月までの冷凍食品販売状況について「昨年の9月、10月辺りから売上は上がってきてかなり良い状態だと考えている。新型コロナウイルスの影響で伸長しているが、重要なライフラインのひとつとなってきている。冷凍食品の20年度の着地見込みは115~120%。19年度は112%、73億円なので100億円がみえてきた」としている。
 CGCグループでは、「スカスカ撲滅」として菓子、加工食品、水産加工品とともに冷食で包装資材縮小、縦型デザイン化を進めるが、同取り組みにより物流や包材などのコスト削減効果とともに売場効率のアップに繋がっている。「加盟店の中にはそれほど大きな売場を持たないところもある。必要最低限のSKUだけを置いていくことを考えた時に(スカスカ撲滅による包装資材縮小や縦型化は)非常に有効な手段だと感じた。結果として得たものが品揃えであり、3割以上SKUが増えている」(浦橋チームリーダー)。
 また、昨年はミールキットを留型で積極的に展開、今後は生鮮部門など他部門の原料を積極的に活用することで商品化に繋げていきたいとしている。試食販売による伸びも大きく「試食の翌日から数字は変わる」(同)と大きな手応えを得ている。
 現在、冷凍食品のPBアイテム数は63品、ダブルブランドが3品。浦橋チームリーダーは今後について「あくまで消費者目線で今、市場に必要なものを作っていきたい」とした上で「特にカット済み、ボイル済みなどもう一段下ごしらえが進んだ冷凍野菜はもっと開発していかなければならない。また、ポテトや弁当、ワンプレート品などのレンジ対応品はさらに増えていく」としている。
 根底にあるのは“料理を応援する”という考え方。「そのひとつがミールキットであり、下ごしらえ済みの冷凍野菜も、料理をしてもらうための素材より一段上の商品として考えてもらいたい」(同)(記事と、浦橋チームリーダーと芝尾昭治氏の対談を本紙に掲載)。

19年722億4000万円に ―― JFSA・共販実績

 日本外食流通サービス協会(JFSA)はこのほど、会員宛に「2019年度事業報告、2020年度方針説明書」を会員に送付した。
 これによると2019年共販実績は722億4000万円(前年比100・3%)と前年を上回った。内訳は冷凍食品が422億700万円(同100・8%)、一般食品が300億3300万円(同99・5%)。PB商品実績は235億4900万円(同103・3%)、推奨品実績は57億4900万円(同105・7%)。
 なお、2020年度の共販事業計画は、目標は新型コロナの影響から、数字は設定しない。

数量、金額ともに増加 ―― 輸入凍菜・3月

 財務省が4月28日発表した通関統計によると3月の冷凍野菜の輸入数量は10万1313t(前年比112・7%)、金額は180億300万円(同107・8%)となった。
 中国産の輸入数量は4万5248t(121・5%)、米国産(ポテト等)は3万2428t(同107・0%)。
 1月~3月の累計輸入数量は25万4836t(同102・9%)。
 主要品目別輸入量はポテト3万926t(同107・8%)、えんどう豆1157t(同99・2%)、ささげ又はいんげん2005t(同95・9%)、枝豆6994t(同110・4%)、その他の豆792t(同116・1%)、ほうれん草4985t(同138・7%)、スイートコーン4142t(同100・9%)、ブロッコリー4929t(同106・4%)、混合野菜2062t(同99・6%)、さといも3202t(同110・3%)、その他冷凍野菜3万1150t(同121・7%)となった。

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日給連野口会長に藍綬 ―― 春の叙勲褒章

日給連野口会長に藍綬

 政府は4月29日、春の叙勲褒章を発表した。藍綬褒章を受章した野口昌孝(一社)日本給食品連合会会長は、「褒章の受章に際して、皆様に感謝いたします」としている。業界関連の主な受章者は次の通り(敬称略)。
〈褒章〉
【黄綬褒章】
 ▽山田敏之(こと京都社長)
【藍綬褒章】
 ▽野口昌孝(一般社団法人日本給食品連合会会長)▽中村正己(一般社団法人日本能率協会会長)

静岡・ヤマキがグループ入り、旭食品の子会社に ―― トモシア・ホールディングス

 トモシアホールディングスは4月30日、同社子会社の旭食品㈱(高知県高知市・竹内孝久社長)が、食品卸のヤマキ㈱(静岡市葵区・山口敦社長)の発行済み株式の過半数の株式を譲り受けることで合意したと発表した。株式取得日は2021年2月26日予定。
 株式取得の目的は、トモシアグループの空白エリアである東海地区で食品卸売事業を展開しているヤマキ㈱をトモシアグループのメンバーに新たに迎えることで、ヤマキが保有する営業基盤を活用しながら、事業拡大を図る。
 また、トモシアグループ化後は、ヤマキの自主性を維持しながら機動性を向上させることで、トモシアグループビジョンである「地域に、本気だ。」を東海地区で推進し、新たな価値創造に取組む地域連合体としての機能を高めていく。
 ヤマキは1950年12月設立。資本金は4600万円。売上高は203億2800万円(2019年12月期)、従業員は164名(2019年12月、パート含む)。

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
黒田ビル2階