総生産数量は微増 ―― 北海道冷食・19年度生産実績
(一社)北海道冷凍食品協会(北冷協・藤井幸一会長)は、令和元年度(2019年1月~12月)の道内冷凍食品生産実績を発表した。それによると、同年度の道内冷凍食品の総生産数量は22万2575t(前年比100・9%)の微増となった。内訳は農産品7万7160t(同103・9%)、調理食品12万7369t(同98・9%)、水産・畜産品1万8046t(同102・5%)と主力のコロッケ等が伸び悩んだ調理品以外は前年を超えた。
分野別動向をみると、農産品に関しては、ポテト関連品、オニオン関連品、ブロッコリー、ミックスベジタブル、グリーンアスパラなどが前年割れとなったものの、人参、スイートコーン、かぼちゃ関連商品は昨年に続き伸長した。
調理品は、昨年伸長した主力商品のコロッケ(前年比94・2%)、その他フライ(同98・6%)が低調。一方、カツ(111・4%)、ハンバーグ・ミートボール(2988t同115・4%)、シュウマイ(同103・3%)、グラタン(同108・3%)、シチュウ・ソース・スープ類(同116・4%%)、その他調理冷食(同164・5%)などが伸長した。
畜産・水産類は畜産製品が(同94・7%)。魚類(同98・5%)。えび、かに、いか、タコ類(同132・5%)、貝類(同106・8%)となった。
今回の結果に関して北冷協事務局は以下の通り語った。
調理冷食のコロッケはコンビニやスーパーでの売上げの減少や増税後、業務用外食関連が減少し大幅ダウン。カツ・グラタン・その他の調理冷食の増加分を加えても調理冷食合計で98・9%に留まった。
農産物ではスイートコーンは数年来台風などの被害により減少していたが復活。但し平成26、27年の12000tには及ばない。カボチャも前年を大きく上回る実績になったが、平成23、24年の10000t越えには届いていない。また、人手不足から例年と比較して加工終了が遅れた。
一方、ポテト関係ではジャガイモの収穫量が多く、海外製品との競合が激しいフレンチフライが国産品志向の影響から増加、ダイスカットや成型品は価格競争により減少した。枝豆、インゲンも増加した。
畜産製品では牛肉のP B商品の減少が全体を引き下げ、水産関係は鮭、サンマ、イカの不漁は続いているがタコ、魚卵、イワシの増加やホタテが数年以前の底から増加した。
数量、金額とも増加 ―― 冷食協・自然解凍調理冷食調査
(一社)日本冷凍食品協会は15日、2019年自然解凍調理冷凍食品の生産・輸入量を発表した。調査対象企業は、自然解凍調理冷凍食品を取り扱っている協会会員企業60社。調査対象品は、自然解凍調理冷凍食品の国内生産品及び輸入品(冷凍野菜、冷凍水産品、冷凍畜産品などの素材品及び菓子・デザートは対象外)。調査対象期間は2018年、2019年。金額は、国内生産品は工場出荷額、海外製品はCIFまたは商社等からの購入額。なお、昨年の調査結果とは調査対象企業が異なるため統計的な連続性は無い。
2019年の自然解凍調理冷凍食品の生産及び輸入量の合計(供給量)は11万8630t(同109・9%)、金額も895億円(同104・4%)と増加した。国内生産量は10万8376t(同108・3%)と増加、生産額は826億円(同103・9%)と増加。輸入は1万254t(同129・7%)、70億円(同110・2%)と量、金額ともに大幅に増加した。供給量のうち、91%は国内生産となっている。また供給量を業務用と家庭用で分けてみると、業務用は5万3978t(同130・0%)、家庭用は6万4652t(同97・3%)となり、全体の5割程度は家庭用となっている。
国産オーガニック凍菜の販売開始 ―― 楽天ラグリ
カット野菜4種とカリフラワーライス
楽天が運営する農業サービス「Rakuten Ragri(楽天ラグリ)」は、定期宅配サービス「100%オーガニック定期便」とインターネット・ショッピングモール「楽天市場」において、「100%国産オーガニック冷凍野菜」の販売を17日より開始した。
様々な料理ですぐに使用可能な、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、カリフラワーの「カット野菜」4種類と、米などの主食に代えて糖質を控えたい消費者に最適な、カリフラワーの「ベジタブルライス」を揃えた。同社が提供する定期宅配サービス「100%国産オーガニック冷凍野菜」を通じて、それぞれ10袋入りの「冷凍野菜&冷凍カリフラワーライスセット」「冷凍野菜セット」「冷凍葉物野菜セット」「冷凍カリフラワーライスセット」から希望のセットを購入することができる。また、「楽天市場」では4月下旬より販売を開始する予定で、各セットを都度購入できるようになる。
オーガニック野菜の栽培と冷凍加工は、楽天のグループ会社である楽天農業が行っている。
新社長に前鶴専務が就任 ―― 日本製粉
日本製粉は24日開催の取締役会において、代表取締役社長社長執行役員(COO)に前鶴俊哉取締役専務執行役員生産・技術本部長の就任を決定した。また、代表取締役副社長執行役員兼製粉事業部門管掌には堀内俊文取締役専務執行役員製粉事業本部長が就任する。
近藤雅之代表取締役社長社長執行役員は特別顧問に就任する。就任予定日は6月26日。
前鶴俊哉(まえづる・としや)氏は、1983年東京大学農学部卒。同年日本製粉入社、2014年6月執行役員生産・技術部長、2015年6月、取締役執行役員生産・技術本部副本部長兼生産・技術部長、2017年6月取締役常務執行役員生産・技術本部長兼生産・技術部長、2018年6月取締役常務執行役員生産・技術本部長、2020年4月取締役専務執行役員生産・技術本部長で現任。1959年5月生まれ59歳。