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今週のヘッドライン|2020年3月第1週号

大手の冷食参入相次ぐ、ポッカがカットレモン投入 ―― 食品メーカー各社

絞りやすいレモン
絞りやすいレモン

 近年、家庭用冷凍食品市場では、大手食品メーカーの参入が相次いでいる。ポッカサッポロフード&ビバレッジは2月24日、冷凍カットレモンを発売して市販用冷凍食品市場に参入した。同日付で、業務用カットレモンも発売している。同社はこれまでにも業務用の冷凍果汁を展開しているが、串切りカットの冷凍レモンを展開することで、レモンの利用シーンを広げていく方針だ。また、カルビーポテト、山崎製パンも昨年より自社の強みを生かした家庭用冷凍食品の展開をスタート。成長市場の冷食への注目が高まっている。

 ポッカレモンは家庭用冷食で、新ブランド〈FROZENポッカレモン〉を立上げ、「冷凍ポッカレモンそのまま使えるカットレモン」(200g)を発売する。
 手摘みしたレモンを串切りにカットし、急速冷凍したフレッシュな冷凍レモン。レモンを22・5度の串切りでカットする「22・5度カット製法」(特許出願中)を採用した。通常のくし切りカットと比べ、カット断面に芯が無いためレモンが絞りやすく、果実感あふれるレモンを味わえる。チャック付きパッケージで、洗う、切るなどの手間なく、使いたい時に必要な分だけドリンクや料理に便利に利用できる。
 販売地区は関東エリア(関東1都6県)。原産地は南アフリカ。市販用冷凍食品の展開は同社初の試み。
 ポッカの業務用では「業務用冷凍ポッカレモンそのまま使えるカットレモン」(500g)を投入し、居酒屋、カフェ業態などに訴求していく。飲み物、食事などに手軽に使えるカットレモンを展開することで、レモンの利用シーンを広げていく。
 また、カルビーポテトは2019年8月に北海道産のじゃがいもを使ったポテト加工品3品を展開しており、既に量販店、生協ルートなどで引き合いが拡大している。今春には一部チェーンで試食も交えた販促を行って、量販店ルートなどへの提案を本格化させ、2020年度には、家庭用冷凍食品の売上構成比を同社営業本部全体の10~20%に引き上げていく方針だ。
 山崎製パンは昨年より冷凍パンの新ブランド〈Just Bread Time〉を開発してテスト販売を行ってきた。この結果を受けて、今春から本格的な提案を始める。
 主役となるのは、ベーカリー業態で売れ筋のパンを冷凍パンとして発売した「塩バターパン」(3個入)。今後は、量販店ルートへの定着を図るとともに、宅配生協、ネット通販などへも販路を広げていく方針だ。

東京中央食品を持分法適用会社に ―― 久世

 久世は2月25日、東京中央食品(株)との資本・業務提携の強化を発表。同社の株式を追加取得する。これにより久世の東京中央食品の株式保有割合が20%となり持分法適用関連会社とする。株式取得日は4月1日。
 久世と東京中央食品は2018年3月に資本・業務提携を締結し、相互に株式を持ち合うとともに、いくつかの分科会を組織して業務提携のあり方を検討し、検討結果の一部については実行に移してきた。
 今回資本・業務提携の強化により協力体制を一層充実させ、両社の事業規模の拡大と業務効率化を目指していく。
 業務提携の内容は①両社の配送地域における物流業務の効率化及び配送地域の拡大②顧客の相互紹介による業容拡大③食品加工・製造業務における両社相互の製品供給により、工場操業度の向上。
 資本提携については、久世は4月1日を払込期日として、東京中央食品の普通株式1万651株を取得。株式取得により久世の東京中央食品株式の発行済株式総数(自己株式を除く)の保有割合は10%から20%となり持分法適用関連会社となる。

自然解凍品を拡充 ―― 極洋

自然解凍の「成型白身魚」天ぷら
自然解凍の「成型白身魚」天ぷら

 極洋は2月20日、2020年春の新商品を発表した。新商品は、シーマルシェブランド商品4品を含む家庭用商品22品、業務用商品22品の計44品。発売日は3月1日(一部除く)。今回はメインコンセプトに「Value&Solution」を掲げ、①時短・簡便②健康③魚の付加価値の3つのサブコンセプトとした。
 時短・簡便の主な商品では業務用冷食で「成型白身魚天ぷら完全油ちょう」「魚(とと)とうふ」(お魚ハンバーグ)、「オーシャンキングシュレッダーR」、「オーシャンキングファイバーほぐし身(かに5%)」「合鴨スモーク(スライス)」、「同(パストラミ)」など自然解凍品を投入した。
 家庭用チルド商品では、〈だんどり上手〉シリーズ初の家庭用となる「さばの味噌煮(骨なし)」など骨なし煮魚3品を投入。フロチルで量販水産売場中心に展開する。また、フロチルで家庭用チルド焼魚の「さばの塩焼き」「銀鮭の塩焼き」「ほっけの塩焼き」も投入した。量販水産売場中心に展開する。
 健康訴求商品では、国立循環器病センター“かるしお”認定を受けたスモークサーモンの家庭用チルド商品「スモークサーモントラウト市販用かるしお」等を投入する。
 魚の付加価値では、業務用冷凍食品で寿司種、刺身向けに「熟成サーモンロイン」「同塩〆さばフィーレ」「銀だらスライス」。また脱皮したばかりの殻が柔らかいエビを串打ちにした「串打ちソフトシェフエビシュリンプ」もおつまみやバーベキューなどに最適だ。家庭用冷凍食品では、「三陸産さばメンチカツ」、「三陸産サーモンメンチカツ」などを発売した。おつまみにも最適だ。

社長に五十嵐常務 ―― 五十嵐冷蔵

社長に五十嵐常務

 五十嵐冷蔵は新社長に五十嵐隆晴常務取締役物流本部長(物流本部営業部長、国債物流室長兼務)が就任した。五十嵐康之社長の逝去に伴うもの。2月6日付。
 五十嵐隆晴氏(いがらし・たかはる)は、昭和44年12月3日生まれの50歳。平成5年3月慶應義塾大学商学部卒、同年6月米国留学及び企業研修、同8年9月三井物産(株)出向、同11年4月五十嵐冷蔵(株)食品部、同年21年食品部長、同26年取締役、同29年5月取締役、物流本部副本部長、令和元年5月常務取締役。故五十嵐康之氏の甥

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
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