生産・要員計画を自動立案、日立と協創、AI技術を活用 ―― ニチレイフーズ
ニチレイフーズ・安居部長(左)、日立・柳田部長
ニチレイフーズは4日、日立製作所との協創を通じAI技術を活用して最適な生産計画及び要員計画を自動立案するシステムを国内4工場に導入し、1月から順次本格運用をスタートしたと発表した。同システムは、熟練者の立案する複雑な制約条件を考慮した計画を高度なAI技術により再現・進化させるもの。フレキシブル生産計画、要員配置を作成できることから長期計画の策定も可能となり生産効率の向上、労働時間の低減、在庫圧縮など波及効果も期待できる。需要変化に即応する生産体制の構築と働き方改革を目指す。
食品工場は、原料が一定ではなく、不定形、急な生産変更、要員も多くかかるなど複雑だ。1工場で最大16兆通りの組み合わせがあり、そこから熟練者がラインの特長、要員の状況などの複合的な条件を踏まえ経験と勘で生産計画を策定しているのが現状だ。
今回、日立が開発した「Hitachi AI Technology/MLCP(Machine Learning Constraint Programming)」を導入する。これは複雑で多岐わたる生産パターンや制約条件に、大量の計画履歴を機械学習させ、生産・要員計画の最適解を高速に導くもの。
過去データをシュミレーションした結果では、「型変え時間の削減はA工場では48・3%削減、適正在庫乖離率はB工場で27.5%削減、休暇希望取得率は100%となった」(柳田貴志日立製作所産業・流通ビジネスユニットソリューション&サービス事業部産業製造ソリューション本部産業ITソリューション部担当部長)としている。
同システムの導入により、生産・要員計画に最大月3時間かかっていたものを10分の1程度に短縮することが可能となる見込みだ。
ニチレイフーズでは工場に共通で使用できるシステムを目指しており船橋工場、森工場、山形工場、キューレイの特長の異なる4工場にシステムを導入し標準モデルを構築。2020年度中に国内11工場に順次導入していく計画であり、将来的には海外工場への導入も視野に入れる。
安居之雅ニチレイフーズ技術戦略部長は、「生産計画は工場運営の根幹だ。生産計画はできるだけ長期計画を組成したいが、変更等も多く現状は1~2カ月先が限度。システムにより2~3年先の計画組成も可能となる。最適な計画の立案は効率的な生産を可能にした商品の安定供給、在庫圧縮、食品廃棄の削減、余剰人員の抑制など様々な波及効果が期待できる」とした。
70周年式典を開催、青木社長「変化しながら邁進」 ―― 名給
名給は6日、名古屋市の名古屋マリオットアソシアホテルでメニューフーズSP会全体総会及び設立70周年記念式典を開催した。式典には、メーカートップをはじめ300人以上の招待客が参加し、盛大な会となった。
記念式典では、冒頭、同社の70年の歴史を振り返る映像が紹介され、その後主催者を代表して青木基博社長が挨拶に立ち、同社を取り巻く事業環境、社会環境の変化を踏まえた上で「その中で名給がお役に立てるように70年培った知識、知恵を存分に生かし、将来に向け変化すべきところは変化し目標に向け邁進したい」とした。
来賓の祝辞は大沼一彦日東ベスト社長、伊藤滋マルハニチロ社長、乾杯発声は三宅宏和六甲バター社長が務めた。
新社長に池見氏、伊藤氏は代表権ある会長に ―― マルハニチロ
マルハニチロは3日、代表取締役社長に池見賢取締役専務執行役員の昇格を発表した。伊藤滋社長は代表取締役会長に就任、また米岡潤一郎代表取締役副社長執行役員は顧問に就任する。4月1日付。
池見賢氏(いけみ・まさる)は、1981年3月京都大学農学部水産学科卒、同年4月大洋漁業(現マルハニチロ)入社、08年4月(株)マルハニチロ食品海外部長、09年4月(株)マルハニチロホールディングス海外業務部部長役、11年4月同社執行役員、14年4月マルハニチロ執行役員、同年6月取締役、17年4月常務執行役員、同年6月より取締役に、19年専務執行役員で現職。57年12月生まれ、62歳。