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今週のヘッドライン|2020年2月第1週号

3年連続で100万t超え、数量、金額共に過去最高に ―― 輸入凍菜2019

 財務省が1月30日に発表した通関統計による2019年1月~12月の冷凍野菜の総輸入数量は108万9380t(前年比3・5%増)、金額は2012億5400万円(同4・3%増)でいずれも過去最高となった。欧州産冷凍野菜など冷凍野菜のバラエティ化が進むと共に、業務用業態の深刻な人手不足、メーカー、商社によるそれに対応した様々な商品提案が奏功、ほうれん草、混合野菜など定番商品は若干低迷したものの輸入数量は3年連続で100万tを超え過去最高となった。

 国別輸入数量を見ると、中国からの輸入数量は、48万1000t(前年比3%増)米国産も31万6000t(同5%増)と好調に推移。タイ、台湾などアジア圏の主要産地は前年を下回ったものの、南米産、ベルギーなど欧州産の伸長が好調を支えた。
 欧州産に関しては、EPAの発効で事実上無関税となっており、今後も他産地との優位性は高まる。20年年は、スペイン、イタリア、セルビア、ポーランドなど多様な産地からの輸入数量の増加が期待されれる。
 品目を見ると、ポテト(前年比3・6%増)、エンドウ豆(同3・1%増)、枝豆(1・1%増)、ブロッコリー(同3%増)、その他野菜(同8・4%増)など堅調。一方18年生鮮青物野菜の代替としての利用増のほうれん草は(同4・8%減)はやや減少した。

輸入凍菜2019

金芽米使用の「おにぎり」 ―― ニッスイ

子供の朝食向けに
子供の朝食向けに

 日本水産は2020年春夏の家庭用冷凍食品として新商品15品、リニューアル6品の計21品を3月1日より発売する。
 米飯ではおにぎりの新提案「金芽米でつくった!鶏五目おにぎり」「同牛焼肉おにぎり」を投入する。甘みやコクに特長のある金芽米を使用し、栄養価も高い。「鶏五目おにぎり」は、枕崎産のかつお節のだしで金芽米と干しいたけを炊き込んだ。鶏の旨みとかつおだしの野菜しい味わい。「牛焼肉おにぎり」は、焼肉風に味付け。牛肉、玉ねぎ、にんじん、とうもろこし入り。2品とも国産野菜を使用した。1個50g。既存のもち麦おにぎりで新たに獲得した単身女性に続き子供をターゲットに需要層の拡大を目指す。また既存品「もち麦が入った!梅ひじきおにぎり」「同枝豆こんぶおにぎり」は8個入りから6個入りに規格を変更し、スリムパックとした。おにぎり以外の米飯ではもち麦入りの〈バルごはん〉「シーフードピラフ魚介のブイヨン仕立て」「ドライトマトのチキンライス」を投入。既存の「パエリア仕立て」ももち麦入りとした。
 食卓向け冷凍キット商品〈今日のおかず〉レンジでつくるシリーズでは、服部栄養専門学校監修の「レンジでつくる鶏団子と野菜の甘酢あん」「厚揚げと茄子の肉そぼろ」の和風2品を提案。シニアなど食卓のもう一品の需要を獲得する。
 弁当商材の〈ほしいぶんだけ〉シリーズでは、「パリッと具だくさん五目春巻」「チキンカツおろしポン酢」など3品を投入する。「具だくさん五目春巻」は、6種の具材入りで、新製法の独自技術により高密度で滑らかな生地を開発し、パリパリ食感が向上、経時体制を向上させた。弁当だけでなく夕食、昼食など食卓メニューとしても訴求する。今年発売20周年となる〈自然解凍でおいしい!〉にはブロッコリーごまドレ、ひじき枝豆、れんこん梅あえの3種をアソートした「3種の彩りサラダ」を追加した。
 農産品では、新たに冷凍果実を提案。「ブルーベリー」「ミックスベリー」「パイナップル」を投入する。凍菜では、「グリーンアスパラ」、「カリフラワー」もラインアップした。

焼うどんやハムカツでボリューム感を追求 ―― 日東ベスト

「旨厚ハムカツ」
迫力の厚さ

 日東ベストは1月より2020年春の〈ベストブランド〉商品として新商品7品、リニューアル品16品の計23品を発売した(一部2月より発売)。
 惣菜向けにはハムの食べ応えとジューシー感にこだわった迫力の厚さの「旨厚ハムカツ」(60枚入り・1枚約105g)を投入。季節のハムカツ惣菜としてはつぶつぶコーンの食感が特徴的な「コーンつぶつぶハムロール」(75g×10個×6袋)を新たに投入する。また、「デリカ厚切りハムカツ(90)」(60枚入り・1枚約90g)は厚切りのハムにサックリパン粉をつけた。
 「花椒香る四川風麻婆豆腐」(175g×20袋/2バンド)は花椒の香りに、麻辣醤、豆板醤、甜麺醤の旨みを加えた。
 麺メニューに食べやすさ・のどごし・ソースとの一体感・ボリューム感を追求した新生焼うどん2品を投入。「焼あご」と「ごま油」を組み合わせ、香ばしい香りが特徴の「あごだし醤油焼うどん」(1㎏×6パック)や「にんにくが決めて!ソース焼うどん」(1・1㎏×6パック)、「麻辣焼そば」(1㎏×6パック)を新たに発売した。
 ブラッシュアップは〈米飯シリーズ〉で「旨みとろけるイベリコ豚重の具」(105g×24パック/2バンド)をほどよい香りのにんにくがイベリコ豚の旨味を引き立てる商品に。「三元豚ロース生姜焼き(310)」はたれを増量した。
 学給向けでは〈国産果汁310g×8パックゼリーシリーズ〉の栄養価を充実しリニューアルした。

ビュッフェ向け4品 ―― キユーピー

洋風筑前煮を使用
洋風筑前煮を使用

 キユーピーはフードサービス2020年春新商品として常温11品、冷蔵3品、冷凍8品の計22品を2月13日より発売する。
 冷凍でビュッフェ向けメニューとして提案するのは、温めるだけでそのまま提供できる「ごろごろ野菜の洋風筑前煮」「ごろごろ野菜の柚子こしょうクリーム煮」「白いんげん豆の煮込み」「コーンビーフハッシュ」の4品。和洋折衷、具材感ある商品だ。
 料飲向けに展開する「アジアンテーブル ルーロー飯の具(台湾風豚肉の醤油煮込み)は人気の台湾飯が手軽にできる商品。
 タマゴ加工品では給食向けに食塩相当量に配慮した「スノーマン 鶏そぼろと大豆のたまごやきスライスパック10/スライスパック20」と、「同 彩り野菜のたまごやきスライスパック12」を追加する。

コープ商品60周年 ―― 日本生協連

コープ商品60周年

 日本生活共同組合連合会は1月24日、東京・渋谷の本部で新年記者会見を開催し、2020年の商品戦略などについて説明した。
 20年は、コープ商品が60周年を迎えることを記念して、商品の刷新や販促の強化などに取り組む。「大型商品のリニューアル」「60周年ロゴの展開」「コープ商品60周年記念総選挙の開催」「60周年特設ページの開設」「写真投稿キャンペーンの実施」「Web動画の配信」などを行う。

冷食はミールキットなど強化の意向

 冷凍食品関連の商品戦略では、〈きらきらステップ〉〈きらきらキッズ〉の強化、19年に本格展開を始めた〈冷凍ミールキット〉の拡充、普段使いの商品の再評価などを進める。
 年代別のニーズに対応した商品づくりにも取り組む。若い世代がスマートフォンを操作しながらワンハンドで食べられる冷食や、シニアに親和性の高いシリーズの開発も検討する。
 嶋田裕之専務理事は「冷凍ミールキットは、発売後の売上が当初の計画を10%程度上回っている。ブラッシュアップを行いながら強化したい。また、若い世代にどのようなニーズがあるのかということも商品開発の一つ切り口になる。シニア世代に親和性の高いシリーズの展開についても力を入れたい」とした上で、「冷凍食品は引き続き強化する」と語った。

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