イオン23年ぶり社長交代、新社長に吉田副社長 ―― イオン
吉田副社長(左)と岡田社長(10日、本社)
イオンは10日、3月1日付で吉田昭夫代表執行役副社長兼ディベロッパー事業担当兼デジタル事業担当が代表執行役社長に就任する役員人事を発表した。岡田元也社長は、取締役兼代表執行役会長に就任する。交代を機にデジタル社会に対応した小売事業への転換を急ぐ。同社の社長交代は1997年以来、23年ぶり。
吉田新社長は、今後の方針として、イオンの基本理念を厳守しながら、「アジア」「デジタル」「地域」シフトを進める方針を表明。スーパーマーケット、デジタル化など改革が急務とされる分野のうち、特にデジタル分野については「リアルとネットの融合についての知見を持つ優秀な人材を配置して強化を図る」とした。リテール事業については「お客様が求める商品、サービスとのギャップが生まれている」と課題を挙げ、消費者目線のサービス、商品の提供に向けた取組を進めるとした。
吉田社長は、「小売業を取り巻く環境の変化は非常に大きく、また早い。そこに大きなチャンスもあることを認識して、グループ内の各事業会社の経営者とともに変革に挑んでいきたい」とした。
岡田社長は社長交代の経緯について、19年1月頃から具体的な検討を重ね、12月頃に吉田新社長に社長交代を打診したと説明。新社長の選定基準として、リーダーシップの高さを上げ、「想定外の自体が発生した際に、多くの人は“想定外だった”という結論で終わってしまう。発生した問題に対して迅速に対応し、再び想定内に落とし込んでいくという考え方がリーダーには不可欠だと考えている」と考えを述べた。
自社のこれまでの取組については、「1969年頃に、ショッピングモールを軸として事業を展開することを決め、テナントと補完関係にあるのではなく、競争関係にあるという考えの下で各社を集積した商業施設を全国に展開してきた。近年はピカールやビオセボンなど新たな業態を展開することで、優秀な若手が細分化した仕事を行うだけでなく、リーダーとして様々な挑戦ができる場を作ることにも努めてきた」と振り返った(詳細を本紙に掲載)。
食卓向け五目シュウマイなど ―― マルハニチロ・家庭用
香りと旨みが特徴
袋が立つ
マルハニチロは15日、2020年春季新商品を発表した。家庭用冷凍食品では新商品16品、リニューアル15品の計31品。一部を除き3月2日より発売する。
いち押し商品としては、〈新中華街〉シリーズより食卓向けに「五目シュウマイ~香りと旨み~」を提案する。①香りと旨み②濃すぎない味付け③大きすぎない食べやすさをコンセプトに、女性をターゲットとする。豚肉、鶏肉、たけのこ、たまねぎ、しいたけ、千切しょうが入りの具材感ある五目シュウマイ。外がけした香り立つ鶏がらスープと、具材に練り込んだ海鮮スープのWスープが特長。1個24g。広島工場に専用ライン、機器を導入し生産する。想定売価は300円前後。
袋のまま食べる〈WILDish〉シリーズには、新たに「汁なし担々麺」「魚介豚骨まぜそば」「ソース焼そば」の麺3品と「ねぎ塩豚カルビ炒飯」の米飯1品を追加。混ぜて食べるため、包材をスタンディングパッケージとした。米飯では、炙り焼さば、葉大根、野沢菜漬等を使用した「炙り焼きさばめし」を投入する。
注力している弁当商材は8品を投入する。〈Ocean Blue〉シリーズから過水蒸気焼き製法で旨みと水分を逃がさずふっくら焼き上げた「さけの塩焼き」「ぶりの照り焼き」や、マグロを竜田揚げにして特製甘辛だれをかけた「たれづけまぐろ竜田」。国産豚のハンバーグにマヨソースを入れ自家製しょうが焼きたれをかけた「豚しょうが焼きマヨ」、ナポリタンをまるごとフライにした「ナポリタンフライ」などをラインアップ。ピザでは、まるか食品ペヤングソースやきそばのコラボ第2弾として「ペヤングやきそばピザ」を投入。専用トレイで折りたたむとワンハンドピザとして食べられる。
凍菜、肉キット商材など ―― ニチレイフーズ・業務用
グリルチキンと彩り野菜のハーブ塩仕立て
ニチレイフーズは、春の業務用新商品20品、リニューアル10品、常温品3品を3月1日から発売する。
春の業務用新商品のコンセプトは「定番品の進化と業態ニーズに応えるオリジナル商品の提案」。
定番品の進化では、アンガス種のビーフを贅沢に使用した「アンガスビーフハンバーグ」、口どけが良くなめらかな食感にこだわった「宮城県蔵王産ミルクのなめらかクリームコロッケ(かに入り)」、皮の歯切れ、揚げ色、つや感がアップし、さらに美味しくなった「パリパリの春巻」(リニューアル)を提案。
業態ニーズに応えるオリジナル商品では、惣菜業態向けに複数の野菜と肉をキット化して簡便オペレーションを実現する“Vegedelica”シリーズ「グリルチキンと彩り野菜のハーブ塩仕立て」「厚切りベーコンのジャーマンポテト」の2品等を投入。同シリーズは、一袋に野菜、肉、シーズニングが入ったキット商品。簡単なオペレーションで彩りと健康にこだわったおいしい野菜が提供できる。
さらに産地のとれたて素材を使った「産地をめぐるキャベツのメンチカツ」、“シェフズスペシャリテ”シリーズ「ミニハンバーグ(デミグラスソース)。外食業態には、簡単オペレーションアイテム冷凍野菜「豚汁用野菜ミックス」や「そのまま使える揚げなす乱切りL(ベトナム産)」の2品を、自然解凍調理対応の“Quick & Smart Made(R)”シリーズには「桜海老のふわふわ豆腐」を投入。インバウンド対応とし“FriendlyDinning”に「カレー」を提案する。
変わり衣の新シリーズ ―― ヤヨイサンフーズ・新商品
カジキのザクうま揚げ
ヤヨイサンフーズは10日、2020年春の新商品として62品を発表した。発売日は1月1日。
今回、フライ商品では変わり衣に着目した〈ザクうま揚げ〉シリーズを新たに投入した。揚げ色のコントラストにこだわった「見た目」、サクサク・クリスピーな「食感」、パン粉の吸油量が少ない「機能性」の3点で差別化。「カジキのザクうま揚げ45」「海老ザクうま揚げ45」「白身魚ザクうま揚げ45」の水産系商品に加えおつまみ、スナックにぴったりのミニサイズ商品を揃えた。
人手不足対策商品では①自然解凍対応商品の拡充②焼き専用:ノンフライ商品の開発―を進めた。自然解凍商品では〈そのまま解凍〉シリーズとして、「ぷりぷり海老しんじょ(銀あん)30」「3種の野菜と豆腐のしんじょ(銀あん)30」「はかた地どりのつくね(タレ付)30」を発売。どんぶりの具には新たに「めちゃ旨 牛丼の具」「同 デリカ牛丼の具」を発売した。
小規模施設の課題に対応したのは焼き調理専用のノンフライ商品〈ほほえみ厨房〉シリーズ。「焼いてメンチカツ60(鉄・Ca)」「焼いてチキンカツ60(鉄・Ca)」の2アイテムを投入した。学校給食における減塩対応としては、〈ソルトケア〉シリーズを新たに投入。第1弾としてハンバーグや餃子、焼売など20アイテムを減塩対象にした。