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今週のヘッドライン|2019年12月第3週号

19年の国内生産は微増、158万t~160万t見込む ―― (一社)日本冷凍食品協会

伊藤会長
伊藤会長

 (一社)日本冷凍食品協会の伊藤滋会長は10日、東京・豊洲のマルハニチロ本社で冷凍食品記者クラブに対して年末会見を開いた。伊藤会長は19年の国内生産量について、「現時点では、前年比100~101%、158~160万t程度になる見込み」と微増となる見通しを示した。家庭用は比較的堅調に推移したものの、業務用は、中食が堅調も、自然災害、増税等が影響した。来年度は冷凍食品100周年、東京五輪パラリンピックを迎えるが、「冷凍食品を広める絶好のチャンスとしたい」とした。

 伊藤会長は冷凍食品業界の動向について、「家庭用は各メーカーが基幹商品のブラッシュアップを進めるとともに、テレビCM、各種イベントの開催など積極的にPR活動を展開したため比較的堅調に推移した。従来のスーパーマーケットに加え、CVS、ドラッグストアなど販売チャネルの多様化も市場拡大に寄与した。業務用は、惣菜などの中食が引き続き好調を維持しているが、外食などが台風や増税の影響などもあり全体としてはやや弱い動きだ」とし、2019年1―12月の国内生産量については、「現段階では前年比100~101%の158万~160万t程度になる見込みだ」と述べ、微増を見込んでいることを明らかにした。
 業界の当面の課題としてはコストアップ問題と人手不足問題を挙げ、コストアップについては「国際原材料では米価の高止まりが続いているほか、主要魚種での価格高騰で安定的な原料確保に支障が出ている。物流では人手不足に加え、ドライバーの働き方改革などが加わり大幅に上昇した。冷凍食品業界でもコスト増に対して一部メーカーで価格改定を行ったが十分に反映しきれなかったようだ」とした(詳細を本紙に掲載)。

創業75周年節目の年 ―― ニチレイ・大櫛社長

ニチレイ・大櫛社長

 ニチレイは10日、東京・築地の同本社で年末会見を実施し、大櫛顕也社長は要旨以下の通り語った。
 社長に就任して8カ月が過ぎた。業績面では上期は成果があった。ひとまず安心している。ただし先行きは不透明で混沌としている。このままではその波に飲み込まれてしまうのではないかと日々危機感を感じている。静観しているわけにはいかない。今できること、将来できることを見極めながらグループの舵を取っていく。
 経済環境では、国際的には、米中の貿易摩擦、欧州のブレクジット、韓国、香港の混乱が内外の経済活動に影響を及ぼしている。
 為替への影響や、畜産、水産、農産物の安定調達に強い懸念を持っており市場を注視していきたい。
 一方、国内で最大の問題である慢性的な人手不足は、当社でも工場や冷蔵庫で影響が出ている。顧客の事業にも支障をきたしはじめている。これに対応すべく、自動化、ロボット化を進め省人化を図るとともに、顧客に対しては、人手不足に対応する商品やサービスの提供を進める。それが我々の役割だ。
 また、相次ぐ自然災害の対応も急がれる。大雨による洪水で、各地で大きな被害があった。幸い当社では人的被害もなく、物的被害も大きなものはなかった。今後も多発するおそれのある自然災害に対し従業員の安否確認、出勤体制、原材料の調達、物流面のリスクに対応するにためBCP(事業継続計画)の見直しを図る機会になった。
 一方、SDGsやESG投資にみられるように企業として持続的な社会の実現に向けた対応が世界規模で求められている。健康、安全・安心などの社会課題の解決にとどまらず、そこに経済価値を創出していく。
 2020年、当社は創業75周年を迎える。当社も新しい節目の年を迎えるにあたり、これからも社会から必要とされる商品、サービスを提供し続けることで、人々に、「おいしい瞬間」を届けられる企業であり続けたい(詳細を本紙に掲載)。

米飯、麺、弁当に注力 ―― マルハニチロ

米岡副社長
米岡副社長
好調のWILDish
好調のWILDish

 マルハニチロは11日、東京・豊洲の本社で行った年末会見の席上、米岡潤一郎副社長が冷食の注力商材について「米飯、麺類、弁当商材の3つに注力する」と説明した。
 同社では今期より各事業部の開発部門を「開発部」として独立部門としている。米岡副社長は、「開発部による新しい形の新商品は来春から出てくる。その中でも当社が力を入れるのは米飯、麺類、弁当商材の3つ。これを何としても業界トップを目指す意気込みで展開している」とし、「米飯については、前半は値上げの影響で一部苦しんだところもあったが、だんだん売上も戻っており11月単月では業界水準で110%のところ当社は前年比115%。弁当商材は業界全体が落ちており同90%だが、当社は95%、麺類同110%、既存品が堅調に推移している。3つのカテゴリーには注力していきたい。弁当は当社が業界でカテゴリーナンバーワン。新商品の開発が肝となる」と述べた。
 また秋発売の袋が皿になる米飯〈WILDish〉シリーズについては、「4種を8月に先行発売した。当初計画で月1~1・5万ケースを計画していたが、9月に3万ケースを超え、これ以上生産できないところまでになった。10月、11月は1・5万ケースに戻っている。いろいろな店舗に配荷しているが、1・5万ケースで通年回るようにしたい。同シリーズで米飯に限らず、焼そばなど新たな形を考えていきたい」とした。

前9月期は売上高1601億円 ―― 東亜商事

小山社長
小山社長

 外食専門商社、東亜商事の前9月期売上高は前期比1・7%増の1601億3386万円で着地した。利益は人件費や物流費など販管費の大幅上昇で営業・経常・純利益と前期比を下回った。事業部別の販売実績、「冷凍食品」(チルド商品含む)は同3・6%増の620億円であった。
 今期は西日本エリアの主要拠点となる大阪支店をを中心に、中四国地域の営業基盤を安定強化すると共に、更なる需要が見込める九州および沖縄地域の営業力強化を図り、より一層の販路拡大に注力する。併せてNB商品、グローバル視点での調達力を駆使したオリジナル商品の開発・提案を推進し、優位性を追求して、仕入先、販売店とは戦略的互恵関係の構築を築いていく。
 売上高は4・3%増の1670億円を計画する。
 前期概況では小山喜之社長は「特にNB商品の徹底販売、業態を超えた新商品の集中提案(特にワイン、農水産品等)チルド品の販売促進と冷凍品混載による一括物流の構築など、人手不足対応、他社との優位性創出のためのベストパートナー会・ロイヤル会会員との連携強化並びに多種多様な商品情報提案を展開した。この結果、目標であった売上高1600億円を達成した」と振り返った(詳細を本紙に掲載)。

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