果実・惣菜が大幅増、海外メニューやパンにも挑戦 ―― イオン
青木商品部長
イオンリテールの青木郁雄商品企画本部デイリーフーズ商品部長はこのほど本紙取材に応え、2019年の冷凍食品の販売概況、今後の戦略などについて説明した。同社では、2019年、冷凍果実、惣菜などが大幅に伸び、野菜、スナックなども好調に推移した。今後の戦略としては、冷凍パンや海外の味わい深いメニューなど、新たな商品の展開に挑戦してイオンならではの魅力ある売場を構築していく。また、冷凍食品メーカーに対しては、「電子レンジの調理時間短縮」「ヘルシー系商品の拡充」などを求めた。
イオンの2019年上期の売上は前年並みで推移した。月次では期初と7月に苦戦したものの、下期は売上が伸びており「月を追うごとに売上が良くなっている」(青木部長)という。
カテゴリー別の売上を見ると、野菜は上期・下期(11月まで)共に動きが良かった。ブロッコリーが好調で、枝豆も前年を上回った。
冷凍果実は上期2割増、下期は約5割増と大幅な伸びを見せた。大袋商品もよく動き、消費者への浸透が進んでいることから、今後も伸長するカテゴリーだとみて今秋に売場を拡大している。
パスタは上期が昨年並で推移した。下期はやや売上を落としたものの、新商品を投入などが奏功して直近の11月は売上を伸ばしている。
具付き麺は上期が前年超えとなり、下期は更に売上を3%程度伸ばしている。ちゃんぽん、シビレ系の調子が良く、素材系のうどんはやや動きが鈍かった。
米飯類は上期・下期共に前年並みで推移した。炒飯、ピラフのベストプライス商品の販売が好調だった。焼きおにぎりはヘルシー系の商品がよく動いた。
惣菜は、上期・下期共に2桁の伸びを見せた。餃子、からあげなどが好調だった。
スナックは上期が前年超えとなり、下期は売上を更に伸ばした。おやつ類、粉もの類などが好調で、中華まん、グラタンなどは動きが鈍かった。
弁当は、上期・下期共に昨年を割り込んだものの、積極的な新商品の投入などに取り組んだことが奏功して「下期は売上が回復傾向にある」(青木部長)としている(詳細を本紙に掲載)。
メーカー5社に金杯 ―― ウルノ商事・ウルノ会
表彰5社
ウルノ商事役員
ウルノ商事は11月29日、茨城・水戸市の三の丸ホテルで「令和元年度ウルノ会」を開いた。今年度は、味の素冷凍食品、日東ベスト、日本水産、マルハニチロ、ヤヨイサンフーズの5社が金杯の栄誉に輝いた。
挨拶に立った宇留野正義社長は、日頃の協力に改めて謝意を表し、また台風15号の影響等にもふれ、「弊社においても、千葉県富里市にある東関東支店が被災し、その説は沢山のご援助、お見舞いをいただいたこと、感謝申し上げる」と述べた。令和2年度は、「働き方改革、企業の地域社会への貢献、すべてのステークホルダーへの幸せや信頼の提供、価値ある企業創りなど課題は多々ある。これらに取り組むべく、今後も多くの施策を打っていく。令和2年には、まず手狭になった『つくば支店』を移転し、現在の5倍に広げて8月に開業する」とした。
ウルノ商事つくば支店 8月開業5倍の規模に
新つくば支店は2020年7月29日竣工、8月1日開業予定。常磐道谷田部インター付近の工業団地内で3200坪の敷地で投資は約12億円。小林正人支店長は、「社長挨拶にもあった通り、地域密着の営業に努めている。今期売上高5%増、前期、前々期も伸びており取扱量が拡大している。業態別では学給が35~40%で、次いで病院・高齢者施設。ドックシェルターを完備し商品は外気に触れさせないことをはじめ、安全安心を一段高める。高い品質を訴えていく。来期の開業初年度は23億円を目指す」とした(詳細を本紙に掲載)。
創立60周年を祝う、新施設MILAB披露 ―― タカハシガリレイ
鳴田社長
タカハシガリレイ(旧髙橋工業、3日に社名変更)は11月29日、このほど同社が移転した大阪・西淀川区のガリレイグループ本社ビルで「創立60周年記念祝賀会」を実施、また新本社内のオープンイノベーション施設「MILAB(ミラボ)」の内覧会を開催した。
「MILAB」は1階、2階、8階を使用した同社“第3の工場”として誕生。1階は6台のフリーザーを備え、調理から冷却・凍結、食味まで一貫した環境で美味しさを追求する「MILAB食品工場研究室」はじめ、最新厨房機器を備えた「MILABキッチン」、製菓製パンの機械を体験し、新商品や技術開発に取り組む「MILABベーカリー」、評価試験、定量分析などを実施する「MILAB食品研究室」、次世代店舗を想定した「MILABストア」から構成される。2階はワークショップスペース「MILABオフィス/環境試験室」、8階は専門家監修の食事を提供する「MILAB食堂」となっている。『JOIN』をコンセプトに、ユーザーとの懸け橋としての役割を果たす。
「創立60周年記念祝賀会」は、8階のMILAB食堂で開催。鳴田友和社長は「創業者の髙橋健(かたし)から引き継がれた技術のバトンをつないできたが、今いる私たちは先代の方々に感謝しながら、これから先の20年、30年とそのバトンをさらに成長させるということを大きな使命としていく。60周年を迎えた髙橋工業は新しくタカハシガリレイとして12月3日よりスタートする。60年間積み上げてきたものの上に、お客様とともに新しいことをどんどん積み上げて、もっともっとお役に立てる会社へと成長していくことを約束する」とした。
ベジライスに新商品 ―― イオン
イオンは11日、冷凍〈お米のかわりに食べる〉シリーズの新商品として、「お米のかわりに食べる6種の彩り野菜」(税別248円、300g)を発売した。
同品は、カリフラワー、ズッキーニ、にんじんなどをお米のサイズにカットした商品。ご飯と混ぜる、または置き換えることで一食当たりの糖質の摂取量を削減し、様々な野菜が持つ栄養素を効率良く摂取できる。
〈お米のかわりに食べる〉シリーズは、「毎日の食事に緩やかな糖質オフを取り入れたい」というニーズに応えて、昨年11月に「同カリフラワー」を投入して立ち上げたブランド。同品は一時品薄となる人気商品となり、現在も月を追うごとに売上が伸長している。