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今週のヘッドライン|2019年11月第2週号

加食・ロジ好調で増収増益 ―― ニチレイ・第2四半期

 ニチレイは5日、2020年3月期 第2四半期業績を発表した。連結売上高2918億4700万円(前年同期比1・0%増)、営業利益149億8800万円(同8・7%増)、経常利益153億9000万円(同9・6%増)、当期純利益95億200万円(同0・9%増)で増収増益となった。2020年連結予想は、売上高5880億円(同1・4%増)、営業利益305億円(同3・4%増)、経常利益305億円(同2・1%増)、当期純利益200億円(同0・3%増)を見込む。

 新工場では、製造ラインに投入する前の、選別、皮むきなどの作業を行わず、処理済みの原料を旧工場から運び込むことで、食品残渣を出さず、異物も混入しにくい、安全・安心な食品の製造を実現している。また、カラーソター、パレタイザーなど最新の設備を導入して省人化を進め、旧工場から比べて製造に要する人員を大幅に削減している。
 なお、新工場の稼働によって、同社の冷凍食品の製造量は2000~3000t程度増加する。同社ではそれに伴って、売上高も現在の約17億円から24円億程度まで伸長できるとみている(詳細を本紙に掲載)。

 セグメント別では、加工食品が売上高1185億2800万円(同3・6%増)、営業利益84億6600万円(同31・1%増)。低温物流が売上高1026億9000万円(同2・7%増)、営業利益56億5000万円(同2・6%増)。水産が売上高329億6000万円(同6・2%減)、営業利益4900万円(同61・2%減)。畜産が売上高432億9500万円(同3・2%減)、営業利益4億5500万円(同35・4%減)となった。
 その内加工食品のカテゴリー別売上高は、家庭用310億9000万円(同5・2%増)、業務用調理品501億7300万円(同2・2%増)、農産加工品102億6800万円(同0・4%増)、海外177億1800万円(同10・7%増)、その他92億7700万円(同2・6%減)となった。
 家庭用主力カテゴリーの進捗率は、米飯が前期比8・1%増(金額ベース)、その内「本格炒め炒飯」は同10%増(数量ベース)。チキン同5・6%増(金額ベース)、その内「特から」同15%増(数量ベース)となった。
 家庭用冷凍食品はテレビCMなどの販売促進活動や製法の改善などの商品リニューアル効果もあり、「本格炒め炒飯」や「特から」といった主力商品が引き続き好調に推移。また、今春発売した「手羽から」「なすひき肉はさみ揚げ」なども売上増に寄与した。
 業務用調理食品は外食、中食向けに調理現場の労働力不足に対応し簡便調理で提供できる商品など業態別ニーズに合わせた商品開発に注力、主力のチキン加工品や和惣菜など調理野菜の販売が伸長。
 農産加工品は加工方法や品種選定などによる差別化商品の開発を進めたことにより、枝豆類やブロッコリー類の取り扱いが伸長。
 海外は米国の子会社イノバジアンクイジン社において、積極的な販売促進活動を行った家庭用商品に加え、中食向け業務用商品の拡販が寄与した。

GFPTニチレイ 7ライン体制に

 ニチレイは、タイのGFPTニチレイの第2工場(2ライン)の建設に着手、2020年10月に稼働を予定している。第2工場の設立により、同工場は現況の第1工場5ラインと合わせ7ライン体制となる。大櫛顕也社長は、同工場の建設に関して「第2工場は日本向け商品と一部副産物を加工する設備を設けるなど様々な商品に対応できる設備を考えている」としている。

大櫛社長 「増税の影響はほとんど出ていない」

 ニチレイの大櫛顕也社長は、第2四半期決算発表の席上、増税の影響に関して「市況では5%程度の駆け込み需要があったといわれているが、実感はない。商品の動きに関しては、ほとんど影響は出ていない。ロジも同様だ。一方、導入後外食系はかなり厳しい状況だと聞いている。」とした。

国内冷食が大幅利益改善 ―― 味の素・第2四半期

 味の素は6日、2020年3月期第2四半期業績を発表した。連結売上高は5387億1700万円(前年同期比1・4%減)、事業利益480億600万円(同7・8%増)、税引き前四半期利益213億8600万円(同51・4%減)、四半期利益70億8800万(同72・8%減)となった。
 セグメント別では、冷凍食品を含む日本食品が売上高1801億円(同0・4%減)、事業利益147億円(同18・7%増)、海外食品売上高2314億円(同0・8%減)、事業利益253億円(同12・3%増)、ライフサポート474億円(同12・8%減)、事業利益25億円(同47・8%減)、ヘルスケア売上高661億円(同1・8%増)、事業利益45億円(同19・3%増)、その他135億円(同5・7%増)、事業利益8億円(同1・4%減)となった。
 日本食品では、売上高はコーヒー類及び業務用の調味料・加工食品が減収。事業利益は冷凍食品及びコーヒー類が大幅増となり増益となった。冷凍食品(国内)に関しては、家庭用は「ギョーザ」シリーズや米飯が好調を継続し増収。業務用はデザート、餃子等の主力カテゴリーの販売が拡大するも、一部商品が前年の販促影響を受けて減収となり前年並みで着地。一方、冷凍食品の事業利益は、家庭用の増収や業務用の値上げ効果及び生産性の改善により大幅増益となった。
 海外食品では、加工用うまみ調味料が増収となったものの、調味料、加工食品、冷凍食品が減ったため減収。事業利益は調味料・加工食品は減益も、加工用うまみ調味料及び冷凍食品が大幅増となり増益で着地した。
 冷凍食品(海外)は、北米、欧州におけるアジアン製品は拡大したものの、換算為替の影響やアモイ・フード社の売却の影響で減収となった。一方、事業利益に関しては米国における前年の値上げ効果及び生産性改善等により大幅増益となった。
 通期見込みは、売上高1兆1385億円(同1%増)、事業利益880億円(同5%減)、当期利益180億円(同39・4%減)を見込む。

弁当不振で家庭用苦戦も業務用は堅調 ―― マルハニチロ・第2四半期

 マルハニチロは5日、2020年3月期第2四半期決算を発表した。
 連結業績は売上高4470億700万円(前期比0・3%減)、営業利益98億9600万円(同3・1%減)、経常利益114億9600万円(同3・4%減)、四半期純利益81億1400万円(同7・4%減)となった。
 ユニット別の売上では、漁業・養殖、水産商事、畜産商事、業務用食品、化成などが増収。荷受、海外、北米、家庭用冷凍食品、家庭用加工食品などが減収となった。営業利益では畜産商事、家庭用加工品、業務用食品、化成、物流が増益となった。
 加工食品事業セグメントの売上高1176億2800万円(同0・4%増)、営業利益32億9100万円(同6・9%増)とセグメントでは増収増益。
 加工食品事業のうち、家庭用冷凍食品ユニットは売上高293億円(前期比5億円減)、営業利益5億円(同3億円減)。主力の弁当カテゴリーの販売が減少し、それに伴う生産減により工場稼働率も落ち込み減収減益となった。業務用食品ユニットは売上高603億円(同19億円増)、営業利益7億円(同2億円増)。介護食、コンビニエンスストア、生協向け等の販売が堅調に推移したことにより、増収増益となった。
 なお、連結子会社のヤヨイサンフーズの第2四半期は売上高175億円(同4億円減)、営業利益2億円(同5000万円増)となった。
 通期業績予想は売上高9400億円、営業利益255億円、経常利益265億円、当期純利益170億円を計画する。

「青の洞窟GRAZIA」初の冷凍パスタ ―― 日清フーズ

最需要期に先駆け
最需要期に先駆け

 日清フーズは<青の洞窟>ブランド新製品2品「青の洞窟GRAZIAペスカトーレ」(280g)、「同うにクリーム」(270g)を、7日より全国で発売した。
 秋冬にかけては、11月のボジョレー・ヌーヴォー解禁や12月のクリスマスなど、家庭で洋食メニューが登場するイベントが控えており、特に12月は冷凍個食パスタも最需要期の一つとして位置付けられている。
 この最需要期に先駆け、<青の洞窟>ブランドから、冷凍パスタの「GRAZIA(グラツィア)」シリーズ2品を新たに発売する。また、同社の特別協賛が決定したイルミネーションイベント「青の洞窟SHIBUYA」との連動効果で、<青の洞窟>ブランドの更なるファン獲得と市場活性化も図る。

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