業務用レンジ対応品を拡充、夕食惣菜新ブランドも ―― セブン・下期商品戦略
髙橋本部長
業務用レンジ対応冷食拡充
セブン―イレブン・ジャパンは8日、東京・有明の東京ビッグサイトで商品戦略発表会を開催し、下期に業務用電子レンジに対応した冷凍食品の新商品を投入し、冷凍惣菜の新ブランド〈今日のおかず〉シリーズを立ち上げる方針を示した。業務用冷凍食品対応食品については、既存のカップ入り米飯シリーズの商品数を拡大し、新たなカテゴリーの商品も展開する。〈今日のおかず〉ブランドは、トップシール包装の単身・2人世帯向け夕食惣菜を発売する。
業務用電子レンジ対応の冷凍食品は、昨年下期に業務用電子レンジ対応のカップ入り米飯2品を展開している。発売から1年経過して、「売上が堅調に推移している。ニーズがあったことは間違いない」(髙橋広嵩商品本部長)として、店舗で温めてすぐに食べられる冷食を強化することで、平日昼間のオフィス利用など、コンビニ冷食が取りこぼしていた市場の開拓を進める考えだ。
髙橋本部長は、「冷凍食品に対する需要は、持ち帰ってストックできることにあるという、これまでの認識自体が間違っていたのではないか」と振り返った上で、「既存品の味わいを向上させ、新たな商品の開発も進めたい」とした。
〈今日のおかず〉シリーズは、11月18日から、「炭火で焼いた牛カルビ」(税抜318円)、「豚の生姜焼き」(同298円)、「海老チリソース」(同338円)などを発売する。包装は〈おかずまみ〉と同様トップシールトレーを採用し、全商品の大きさを統一して売場で面的に展開する。
今後の商品展開については、調理に一手間かける、素材品、半調理品などの開発を進める意向を示した。
新レイアウトで冷食売上大幅に伸びる
なお、同会では同社がタイプ「F2」と呼称する新レイアウトをに切り替えた店舗について、5月度の日販が、前年比1万7400円増となったことを明らかにした。
部門別の売上の伸びは、冷凍食品が3500円増で最も大きかった。また、冷食の什器をオープンケースに変えて視認性が高まったことで日配品との相乗効果が高まり、麺、デリカなどの売上も向上する効果が見られた(詳細を本紙に掲載)。
冷凍ミールキット第2弾 親子煮や魚系で6品 ―― イオントップバリュ
和田本部長
フローズンキット品は計12品に
イオンは18日より、全国のイオングループ1800店舗で、〈トップバリュ フローズンCookit〉第2弾商品6品を発売した。
同シリーズは「水や油、調味料などが不要」かつ、1パックで材料が全て揃い、味付けまでできる冷凍ミールキット。第2弾商品としてはたまご入りのたれで好みの食感に仕上げられる「親子煮」(2人前、798円)に、魚系商品として「白身魚の竜田揚げと花野菜のバジル炒め」(同)、「白身魚と野菜の甘酢あんかけ」(同)の2品、「青椒牛肉絲(チンジャオニウロウスー)」(同)他、「鶏肉と野菜の塩こうじ炒め」(同)、「豚肉と根菜のしょうが炒め」(同)を投入する。
ミールキットは“次世代の簡便への対応”
発売日当日には、東京都江東区のイオン葛西店で実施された「イオン増税前内食向け新商品発表会」において、同シリーズを紹介。和田浩二イオントップバリュマーケティング本部長が説明に当たった。
和田本部長は「トップバリュの中でキーとして挙げているのが①ヘルス&ウェルネス②インターナショナル③ライフスタイル④ローカルだ。今回はお客様のライフスタイルの変化を捉えた商品を投入した。10月1日からの消費増税はお客様にとって大きな変化であり、購買行動の変化が予想される。そこに対してしっかり対応していく。環境変化の中で注目を集めているのがミールキットであり、当社としては“次世代の簡便への対応”として強化している」とした。
なお、春に発売した〈フローズンCookit〉第1弾商品の販売動向にも触れ、「計画通りの動きをしている」とした上で、同社の狙い通りチルドに対し買い置き需要がみられたことや、シニア層の支持が高かったことを明らかにした。
「消費者の部屋」特別展示を開催 ―― (一社)日本冷凍食品協会
(一社)日本冷凍食品協会は9月30日~10月4日の5日間、東京・霞が関の農林水産省北別館で「消費者の部屋」特別展示を開催する。特別展示は今回で14回目。今回は、「ココロにおいしい、冷凍食品」をテーマとして、試食、パネル、ダミーパッケージ等の展示を行う。
試食は9月30日~10月3日の4日間(詳細を本紙に掲載)。
軽減税率・キャッシュレス対応の対応策まとめる ―― 外食・流通
外食 税込価格統一も、総合的な価格政策で工夫
外食各社の軽減税率対応が進んでいる。値上げ・据え置きを組み合わせた価格改定によるお得感の打ち出しや、包装資材の高騰に伴う持ち帰りの実質値上げとなる税込価格統一、持ち帰り8%の実施など、各社工夫を凝らした価格施策が打ち出されている。持ち帰り販売も多い外食ブランドにとっては、軽減税率導入時に現在のデフレ価格を見直すチャンスにもなる。
現在、「店内飲食と持ち帰りの場合での税込価格統一」を打ち出しているのは、マクドナルド、すき家、松屋、フレッシュネスバーガー、日本ケンタッキー・フライド・チキン、サイゼリヤなど。
一方で、「本体価格+税表示で、店内飲食10%、持ち帰り8%」は、吉野家、モスバーガー、スターバックスコーヒー、ミスタードーナツなどとなっている。
マック 店内と持ち帰りの価格を統一
日本マクドナルドは10日、10月1日以降の価格設定と価格表示について、店内飲食と持ち帰り(ドライブスルー含む)の税込価格は、これまで通り統一すると発表した。店内飲食が税抜価格の引き下げとなり、持ち帰りの場合は現行の税抜価格と同様となる。
同時実施の価格改定については、ハンバーガー、チーズバーガーなど全体の約3割の品目で税込価格を10円引き上げ、約7割は税込価格を据え置く。
なお、ポイント還元制度については、国内約2,900店舗のうち、フランチャイズ店舗約2000店舗が参加予定としている。直営店舗は制度の対象外のため実施しない。
モス 持ち帰り8%、本体価格表示に
モスフードサービスは17日、軽減税対応を発表した。店内飲食は標準税率(10%)、持ち帰りおよびデリバリー商品代金は軽減税率(8%)とする。ただし物販品、お届け料、アルコール等は軽減税率対象外。
価格表示については、「本体価格+税」に統一、レシートは税込表示とする。
併せて10月1日~12月31日の3カ月間、モスカードでの会計で、決済額の2%のMOSポイントを、自社負担で付与する、ャッシュレス決済ポイント還元施策を実施する。
シャノアール 店内飲食の税込価格を統一
カフェ・ベローチェなどを展開するシャノアールは10月1日、軽減税率の導入に伴い、持ち帰りと店内飲食の税込価格を統一する。持ち帰り価格を実質引き上げる。包装資材などの価格高騰を受けて実施するもの。
また価格改定も実施する。カフェ・ベローチェでは、ドリンク、各種サンドウィッチなどを10円値上げする。食事メニューは、「王道ナポリタン」や焼きたてドッグ、Vバル商品を20円値上げする。
同社では2016年6月1日以降値上げを行っていなかったが、原材料費の上昇が続く見通しとなっていることや、消費増税により、従来価格での販売が困難な状況となったための値上げとしている。
流通 店内喫食は自己申告で CVSは、直営のポイント本部が負担
流通各社も増税後の対応策を公表している。
増税後の会計時の対応について、セブン、ファミマ、ローソンのコンビニ上位3社と大手SMの多くは、掲示物で店内喫食で税率上がる旨を知らせた上で、基本的には税率8%で会計し、客側から店内喫食を行う旨の申請があった場合のみ10%の税率で会計する。
軽減税率の導入に併せて、キャッシュレス決済によるポイント還元策も始まる。コンビニ3社では、直営店も本部が2%分を負担してFC店と同額のポイントを還元する。店舗毎に商品価格が異なることによって起こり得るトラブルを防ぐ。ただ、鉄道会社の大手企業がフランチャイジーである一部店舗などについては対応を協議している。
大手食品SMでは、イオン、セブンなどが対応策を検討中、ライフ、サミットなどが5%分の還元には対応しない方針を固めている。食品SMのポイント還元率位は5%で、コンビニの2%と比べても大きく、還元策を受けられる中小企業と、受けられない大手で価格差が生まれやすい。大手の多くは自社負担でのポイント還元などは行わず、特売や自社カードなどで値ごろ感を訴求する方針を打ち出している。
一方、多くの中小チェーンが加盟するコーポラティブチェーンのCGCでは、ポイント還元策が来店客を囲い込む好機になるとみており、販促物を各チェーンに配布して自社カード「コジカ」の新規獲得を強化するとしている。
冷凍食品物語第6版発刊、商品で見る冷食の歴史
冷凍食品新聞社は創刊50周年記念出版『冷凍食品物語~商品の変遷史~第6版』(A4版・174頁)を発刊いたします。
冷凍食品物語は、本紙創刊25周年の1994年に初版を刊行し、以来、5年ごとに版を重ね、今回で第6版の刊行となりました。
第6版では、2010年~2019年までの商品の変遷史を加筆し、再構成して、有力企業の「冷凍食品物語」としてまとめ上げております。また巻頭カラー企画「歴史に残る冷食」では単品としての商品の魅力を紹介していきます。
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