冷凍食品新聞社 発行日(週刊・毎週月曜日)購読料1年33,600円(+税)昭和44年6月19日第三種郵便物認可

今週のヘッドライン|2019年7月第4週号

20年度以降関東進出を本格化、食品強化店を年30店 ―― コスモス薬品

横山社長
横山社長

 コスモス薬品が、これまで空白地だった関東圏への進出を来年度から本格化させる。今年度中に郊外型大型店1~2店を新設し、20年度以降は年間30店舗ペースで出店を進める。施設規模は、売場面積1000~2000㎡。店内は「食品を満載した売場にする」(横山英明社長)としており、今後も売上構成比を高めていく方針だ。

 東京・日本橋兜町の東証会館で16日に開かれた決算発表会の席上で、今後の出店戦略、商品戦略、価格戦略などについて、横山社長らが説明に当たった。
 出店戦略については、ドミナント出店を基本方針に位置付け、自社店舗同士の競合を考慮せずに、「地域を面的に制圧する」方針を示した。また、昨年から都内に3店舗を出店している非食品が中心の都市型小型店は、店舗数の拙速な拡大を避け、店舗運営のノウハウを蓄積した上で、都内、大阪市内などの強商圏への新規出店を検討するとした。DS業界で活発化しているM&Aについては、老朽化した店舗の取得が競争力の低下を招くと見て、「取り組むつもりはない」とした。
 商品戦略については、食品で集客し、化粧品、日用品などの利益率が高い商品の購買に繋げる戦略を維持する。チェーン全体の売上のうち56%を占める食品部門は、消費者のニーズに合わせて「今後も売上構成比が増加するだろう」としたものの、冷凍食品は当面品揃えを拡大せず、同社が手付かずの生鮮3品及び惣菜の取扱いも検討しない考えを明らかにした。

横山社長
コスモスは不況の申し子


 同社では価格戦略については、より一層の低価格化に取り組む。消費増税によってデフレ化が進み、安売りのノウハウを持つ企業が勢力を伸ばすと見ている。
 横山社長は、「小売業にとって厳しい時代が訪れるが、ピンチはチャンスにも転じる。人件費の高騰などによってライバル企業は疲弊する。一方で、当社は不況の申し子だ。より一層安売りを進め、皮を切らせて肉を割く、肉を切らせて骨を断つ気持ちで、シェア拡大に向けて一気に勝負をかけていきたい」とした。
 柴田太取締役経営企画部長は、「関東圏に進出するに当たって、食品スーパーなどから警戒する声が挙がっていると聞き及んでいる。当社では、競合する店舗はあくまでもドラックストア業態だ。当社と生鮮3品を取り扱う食品スーパーでは強みが異なるため、地域でより良い関係を築きながら共存できる」とした(詳細を本紙に掲載)。

「レンジでつくる」を拡充 ―― 日本水産・家庭用新商品

関東限定でCMも
関東限定でCMも

 日本水産は18日、19年秋・冬新商品を発表した。家庭用冷食は新商品8品、リニューアル18品の計26品。9月1日より発売する。
 食卓惣菜では、今春発売した具入りソースと野菜等が入ったトレーが2重になっている「今日のおかずレンジでつくる」に「黒酢の酢豚」「麻婆豆腐」の2品をラインアップ。既存品の「回鍋肉」「青椒肉絲」「麻婆茄子」と合わせ簡便性の高い、人気の中華惣菜で面での提案を行う。また関東限定でテレビCMも投入する予定だ。昨秋に続き食べるスープも拡充する。<デリシャスKitchen>シリーズは「食べるスープ和風しょうが」、「ピリ辛担々」をラインアップ。8種の具材がたっぷり入った具だくさんスープ。今回より調理時に水を加える必要が無いストレートタイプと冷凍庫に保管しやすいスリムなトレーにした。弁当商材では、<ほしいぶんだけ>「白身魚ソースフライ」「もち豚メンチ」を投入。ごはんに良く合うソースを絡めた。米飯では、「旨辛四川風炒飯」を投入。花椒がほのかに効いた辛さがそそる。
 おつまみでは、スティックタイプの大学いも「スティックポテトミルクティー味」を発売する。

家庭用価格改定 米飯、麺の10品

 同社は家庭用冷凍食品の米飯、麺の10品を9月1日より改定する。アイテムは、「大きな大きな焼きおにぎり」「オムライス」「いきなり!ステーキ監修ビーフガーリックピラフ」、「我が家の麺自慢ちゃんぽん」など。改定幅は7~10%。原料高騰によるものだが、対象商品は今秋にリニューアルしブラッシュアップも同時に図っている。

大豆ミート使用商品など8品 ―― ヤヨイサンフーズ・新商品

大豆ミートのハンバーグ
大豆ミートのハンバーグ

 ヤヨイサンフーズは17日、2019年秋の新商品として70品(うちリニューアル15品)を発表した。発売は7月1日。
 今回の新商品では「高まる健康志向に配慮した商品の開発」および「人手不足による課題の解決を提案する商品の開発」に注力した。
 今回新たに提案するのは『野菜を中心とした植物性の食材を食べよう』をコンセプトとした大豆ミートを使用した新シリーズ<イートベジ>。ラインアップは「大豆ミートのハンバーグ」「5種の野菜のメンチカツ90」「ひよこ豆のカレー」「うま辛麻婆なす」「(袋)根菜ごろっとメンチカツ」「(袋)北海道産3種の野菜入りシチューコロッケ」「完熟トマトのスパイシードリア」「ひよこ豆のカレードリア」の8品。中食市場に向けては野菜や大豆ミートを使用した「健康訴求商品」として提案。外食・産業給食市場に向けてはインバウンド、海外からの労働者の需要に応えていく。
 人手不足への対応メニューとしては『調理の手間削減』をキーワードに「めちゃ旨 炙り牛カルビ丼の具」「同 デリカ炙りカルビ丼の具」「そのまま解凍 鶏そぼろ」「同 デリカ鶏そぼろ」といった自然解凍アイテムを提案。また『並べるだけ』をキーワードにグラタンドリアの既存ブランド<デリグランデ>の改良を図る他、『ロス削減・使い切り』をキーワードにアレンジダイスゼリーの小容量(300g)商品「アレンジダイスゼリー・国産白桃(Ca)」「同・京都府産ほうじ茶ラテ風味(Ca)」や「つかいきりナポリタン160g」を揃えた。
 中食向けのパック販売商品としては「デリカフランク」でプレーン、ペッパー、チョリソー3種を提案。学校給食向けでは食塩相当量に配慮した商品の追加要望が高まる中食塩相当量に配慮した「5種の野菜入り国産豚肉メンチカツ60(鉄・Ca)」「同40(鉄・Ca)」を投入した。産業給食には「スライスチーズのハムカツ」等の2層タイプのハムカツシリーズで基幹カテゴリー商品の拡充を図った。

つくね串にしょうが入り ―― ケイエス冷凍食品・新商品

きざみしょうがと、おろししょうがを入れた
きざみしょうがと、おろししょうがを入れた

 ケイエス冷凍食品は秋の家庭用新商品3品、リニューアル品4品)パッケージリニューアル商品含む)、業務用商品1品を、9月1日から発売する(業務用は8月1日から)。
 家庭用新商品「しょうが入り国産鶏 鶏つくね串(照焼)」は期間限定商品。国産鶏肉を使用したつくねに、きざみしょうがとおろししょうがを入れて香ばしい照焼にした。ピリリと辛いきざみしょうがと、おろししょうがの香りが酒、ご飯にピッタリ。自然解凍対応。また、「国産鶏 鶏つくね串(照焼)」の秋季限定パッケージが登場する。秋を彩る代表的な「紅葉」を基調とし、店頭で季節を感じれるデザインに仕上げた。
 「焼きもろこし串」は、焼きもろこしをイメージし、すり身にコーンをたっぷり入れて焼き上げた。こんがり甘辛醤油味とコーンの食感で、幅広い年代が楽しめる一品。自然解凍対応。「チキンとデミシチューのオーブン焼き」は、国産鶏肉(成型肉)に、きのこ入りデミシチューとパン粉をかけ、オーブンで焼いた商品。ノンフライで、1個当たり25kcalとカロリーを気に掛ける方にもおすすめなお弁当にぴったりの商品。自然解凍対応。
 リニューアル品は、「国産肉 肉だんご」「エビのチリソース」の主力2品。いずれもおいしさをブラッシュアップ。人気の「おべんとうごまだんご」「ほうれん草玉子ロール」はパッケージをリニューアル。

■業務用 自然解凍対応ミニハンバーグ

 業務用商品には「ミニハンバーグ(デミグラ)」を提案する。ボイルスチコン、自然解凍、冷蔵庫解凍に対応。ミニサイズのハンバーグに、コクのあるデミソースを合わせ、時間をおいても表面が乾燥しにくく、ハンバーグにしっかり絡むようにタレ量を設計。1個当たりのサイズは、直径約39㎜。幅広いシーンで使える。

業界初、卸の配送を有料化 ―― 日栄商事

堀江社長
堀江社長

 業務用食材卸、日栄商事(東京・堀江茂社長)は配送コスト上昇やドライバーの待遇改善を目的に、昨年4月末より同社の約7000件の外食ユーザーを対象に配送補助費の名目で配送1回に付き200円の配送料を徴収している。
 配送料を導入した背景について堀江社長は物流経費増が続く中で「業務用食品の物流、配送は少量小口配送や納品指定、納入時の付帯作業もあり、ドライバー不足に拍車をかける要因になっている」とした上で、「この問題を解決するため働く社員や配送担当者の待遇改善を図ることが有効ではないかのとの思いで決断した」と語った。
 業務用食材卸業界では、(一部に)物流費の高騰やドライバー不足もあり、末端ユーザーに向けては「卸の配送は無料の認識を変える良いチャンスである」と物流業務改革の機運が盛り上がりつつある。しかし、現実には同業者間の競合激化や外食ユーザーなど顧客側の抵抗もあり、配送費の導入には難しい一面もある。
 堀江社長も配送補助費の徴収(年間約6000万円)では「当社が抱える約7000件の顧客の内85%は理解を示してくれたが、残りの約15%は残念ながら認めてくれなかった。特に横浜・千葉エリアなど東京都内以外の顧客でこの動きが顕著だった」と述べた。

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