味の素グループをリードする会社に ―― 味の素冷凍食品・黒崎社長
味の素冷凍食品の黒崎正吉社長は4日、東京・銀座の同社本社で行われた新商品発表会の席上、新社長としての抱負を述べた。黒崎社長は「吉峯前社長が作ったベースをさらに強くする」とし「冷凍食品事業を味の素グループのコア事業にしていく」と語った。発言要旨は以下の通り。
吉峯英虎前社長が8年間、味の素冷凍食品(FFA)メンバーと一緒になって、将来に向けた素晴らしいベース、実績を築いてくれた。私に与えられミッションはそれをさらにより良いものにしていくということだ。それは自社だけでなく冷食市場全体をより良くするという役目であると考えている。
今後、吉峯前社長が作ったベースをさらに強化していく。一方で、質の違った成長も考えていきたいと思っている。いずれにしても味の素グループ全体の中で、冷凍食品は最重要な事業の一つであり、将来さらに重要になってくる。冷凍食品市場は国内、海外共に成長する。その中で、冷凍食品事業を国内、海外問わず、味の素グループのコア事業にしていく。必ずできると確信している。
そのためにFFAが持っている技術力、開発力、そういう強い所を最大限生かしながら、国内でも、海外でも事業展開していく。そしてFFAが国内で圧倒的に強くなっていくことを皆で目指していきたい。
今、社員と話し始めているのは、「今日の仕事、今年の仕事」と同時に「未来に向けた仕事、未来のための仕事」、その2軸をもって考え、取り組み、将来を作り上げていくということだ。
今後、次の中期経営計画の検討に入る。中計の3年だけでなく、その先の25年、30年、さらにその先、我々が「どうありたいか。どうあるべきか」。これを、これからメンバーと検討する。
まずは、常にその時点での成果と課題をスピーディに把握し、今必要な対応、将来に向けて必要な対応が常にできるような組織に強化していきたい。
味の素グループの基本戦略として、ASV(Ajinomoto Group Shared Value)がある。FFAの中でもASVに即したいくつか素晴らしい取り組みがある。我々は冷食事業が発展すること自体が世の中への貢献だと考えている。そういう意味でASVをさらに拡大進化させていくFFAでありたい。そしてASV視点で味の素グループをリードするようなFFAを皆で作り上げていきたい。
パリ旨「ひとくち餃子」など ―― 味の素冷凍食品・家庭用新商品
お酒によく合う
味の素冷凍食品(黒崎正吉社長)は家庭用冷凍食品の新製品2品、リニューアル品15品を8月11日より発売する。
新商品には、お酒によく合う「ひとくち餃子」と、〈おにぎり丸(R)〉シリーズに「和風ツナひじき」を追加する。
「ひとくち餃子」は、今後さらに高まる見込みの家飲み需要に応えた “無性に食べたくなる餃子”。お酒によく合う、食べ始めたらとまらない、扇型のパリッパリ食感とピリッと辛いラー油を使用した、コク深い味わいが楽しめるひとくちサイズの餃子。既存の冷凍餃子とターゲット・オケージョンが異なる「ひとくち餃子」を発売することでさらなる冷凍餃子市場拡大に向けて製品ラインナップを強化する。
〈おにぎり丸(R)〉「和風ツナひじき」は大人2人世帯をメインターゲットに、ツナとひじき、にんじんなどを使い、鰹だしがきいたやさしい味に仕上げた。また、高校生以下の子どものいる世帯に根強い人気の「ちいさな豚角煮」は、肉の食感をアップさせ食べ応えのあるおいしさにリニューアル。
リニューアル品では、「やわらか若鶏から揚げ」の1袋当たりの容量を275gから300gに増量。「ザ★(R)シューマイ」は、“さらにおいしく、使いやすく”進化。素材本来の味が引き立つようおいしくリニューアルするとともに、9個入りのトレイを3個ずつで切り離せるようにすることで、より使いやすくなった。「五目炒飯」も刷新。同社ならではの技術で“おいしさそのままに、鶏だしのうま味をきかせることで、100g当たりの食塩相当量を1・2gから0・85gに。プリプリのエビシューマイ」「エビ寄せフライ」「エビのグラタン」のロングセラー製品3品は、品質・パッケージをリニューアル。〈ごろんと(R)〉肉厚シリーズ2品は、肉厚な食べ応えの価値はそのままに、お求めやすくリニューアル。手作りでは手間のかかるメニューで、魚と野菜も入った「小あじ南蛮漬け」は販売エリアを全国に拡大し、冷凍お弁当おかず市場の活性化を図る。
さらに冷凍野菜4品種を、旬の時期の朝に収穫した野菜を使って鮮度の良さを訴求した「旬の朝採り」(「スーパースイートコーン」、「グリンピース」、「ミックスベジタブル」)と、「旬の収穫」(オニオン・ミックスベジ) としてリニューアルした。
袋のまま食べられる新提案 ―― マルハニチロ・家庭用新商品
袋を切って皿にする
マルハニチロは2日、2019年秋季新商品44品、リニューアル20品の計64品発表した。家庭用冷凍食品は新商品17品、リニューアル11品の28品を発売。開発ポイントは、多様化するライフスタイルに合わせ、簡便調理や個食ニーズに対応した新しい食べ方や食シーンを提案。
米飯商材では、新シリーズ「WILDish(ワイルディッシュ)」を新規投入。同シリーズは「ワイルドにカキコメ!」をコンセプトに、スタンディングパッケージ(特許出願中)を、袋ごとレンジで調理し、食べる今までにない商品。アイテムは、「焼豚五目炒飯」(270g)、「豚キムチ炒飯」(270g)、「エビピラフ」(250g)、「チキンライス」(250g)の4品。全て同社独自のあおり炒め製法を使用した。想定価格は1袋390円前後だが特売等で198円程度になる見込み。ピザ・ドリア類では、シンプルなトマトソースとバジルが香るマルゲリータ「もっちりマルゲリータ」(2枚入)。レンジ調理後トレイを折りたたむと片手で食べれるワンハンドピザで食べられる新機能トレイ(特許出願中)を採用。簡便、手軽さを訴求する。ドリアでは、「HARAPEKOごはん緑黄色野菜とベーコンのドリア」を投入。6種の緑黄色野菜で彩りが良く、便利な紙トレー入り。
食卓惣菜では、プリッとしたえびをたっぷり使用した「おいしいおかずガブッと!海老カツ」。弁当商材では、〈letsベジランチ〉シリーズ「ほうれん草3種おかず」、牛肉と豚肉の合い挽き肉と「ソースメンチカツ」、山芳製菓の「わさビーフ」とコラボしたキザミわさび入りのマヨソースを肉で包んで焼き上げた「わさビーフマヨ」などをラインアップ。
麺類では、ガーリックや黒胡椒、豚の背脂を効かせた旨みのある塩だれ味のトレイ入り「豚カルビねぎ塩焼そば」を投入する。
発売日は、「WILDish」は8月1日、その他は9月2日。
カレーぎょうざなど投入 ―― イートアンド・秋冬新商品
ヤングファミリーに
イートアンドは2日、秋冬の家庭用新商品4品及びリニューアル品10品、業務用新商品3品を発表した。家庭用は9月1日より順次、業務用は秋口より発売する。
秋冬の新商品は、「おうちでごちそう体験」をテーマに、外食の味わい、未体験の感動などを家庭で感じられる商品を展開する。
主力の冷凍餃子では、「大阪王将冷めても美味しい!羽根つきカレーぎょうざ」(12個入、想定売価税抜398円)を発売する。同品は、各種フルーツとタマネギの甘味が効いたカレー味の中具を、もちもちの皮で包んだ餃子。中具は、子供が食べやすい甘口に仕立てており、ラー油を効かせた別添の特性オイルと合わせることで、スパイシーな大人の味を楽しむこともできる。これまで冷凍餃子の利用がやや少なかった20代~30代のヤングファミリー層への浸透を狙う。ニンニク不使用の冷めても美味しい餃子として、お弁当市場も開拓する。
〈羽根つき〉カテゴリーからは、「同羽根つきにら饅頭」(6個入、同)も発売する。米粉ともち粉を使用したもっちりした皮で、ニラを14%入れた肉汁溢れる中具を包んだ。水・油を使わない簡単調理。
中華まんカテゴリーには、「同チーズ入り豚まん」(3個入、同400円)、「同麻辣豚まん」(同)を追加する。「同チーズ入り豚まん」は、ゴーダ・ステッペン・チェダーの3種の風味とコクのあるチーズを使用した。2種類の異なる部位の豚肉を使用することで、奥深い肉の味わいの商品に仕上げた。「同麻辣豚まん」は、豆板醤・トウチ醤、テンメン醤の3種の「醤(ジャン)」を中具に効かせ、花椒のシビレと唐辛子の辛さを引き出してコクと旨みが残る後味に仕上げた。
業務用新商品では、ニンジン、シイタケ、キャベツを配合した「こだわりの野菜餃子」、オイスターソースや紹興酒で味付けした具材を薄皮で包んだ「業務用小籠包」、解凍しても皮がくっつかず、もちもちした食感が長続きする「もちもち水餃子」の3品を発売する。