中国の食育視察団が訪日、学流協ともセッション
前列右から、劉団長、小澤代表理事、渡辺専務、孟氏
中国政府はこのたび、日本の食育についての調査研究を目的に、「中国科学院食育(学校給食)視察団」を派遣した。中国科学院地理科学・資源研究所の劉暁潔博士を団長とするチーム7人の構成で、文部科学省、農林水産省、給食センターや学校での給食提供の視察などを行った。今回の調査成果を中国の学校における食育制度や給食制度の改善に役立てたい考え。(公社)学校給食物資開発流通研究協会も、一般財団法人国際教育協会(小澤興朗代表理事)の要請を受けてセッションに出席した。
学流協とのセッションでは、渡辺浩志専務理事が日本の学校給食は来年130周年を迎え、その歴史に沿って民間の食材納入業者が全国組織を結成して食材の調達と供給を担ってきたことなどを説明した。市町村が実施主体である日本の学校給食では地域の企業の振興を担う側面もあり、地域ごとの実施状況に合わせた食材納入が不可欠であること、また当日納品当日調理の特長から特殊な市場でもあることを説明した。さらに、学流協では公益事業として学識者による書籍や機関誌「学校給食研究」の発刊・配布、「学流協の推奨品」事業による優良食品の普及に努めていることを説明した。
講義後の質疑応答では、劉団長より、「学流協が教育の現場と民間の流通業者との懸け橋の役割を果たしていることが分かった。情報提供事業で学識者の協力をどのように得ているのか」「中国でも、多くの企業が社会貢献に大変関心があるが、どのように取り組んだらいいのか分からない状況にある。特に食育は新しいものであり、企業と学校給食をどのようにつなげられるか」との質問があった。渡辺専務は、「仕組みにポイントがある」と回答し、『学流協の推奨品』選定事業に現場の学校給食関係者や学識者に加わってもらっていること、そのネットワークを生かしていることを説明した。また社会貢献については、公益活動に意欲のある流通業者のリーダーが必要だろうと回答した。(詳細を本紙に掲載)
「情報卸」構想打ち出す ―― 日本アクセス
佐々木社長
日本アクセスは5月31日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで2019年度経営方針説明会を開催、取引先メーカー420社560名が出席した。挨拶した佐々木淳一社長は、同社前期業績の報告と今期の取組みなどを説明した。
今期については、「第7次中計の2年目。真のフルライン卸を目指し攻めと守りの戦略で取組む」と説明した。
今期の主な施策は、(1)次世代ビジネスの強化(2)商品開発と販売の強化(3)フルライン卸戦略の実行(4)外食・海外事業の拡大の攻めの戦略と(5)働き方改革への取り組み(6)食を通じた社会貢献活動の守りの戦略に取り組む。
また、次世代ビジネスの強化では、ITを核とした「情報卸」構想を打ち出した。
ロジ戦略については、自社運営施設と設備を生かす。フローズンでは、川上、川中の仕入れ効率化を図るため、冷凍マザーセンター構想に着手する。(詳細を本紙に掲載)
前期取扱額は326億円強、冷食が伸長 ―― JFDA
金森会長
全日本外食流通サービス協会(JFDA、金森武会長)は3日、東京・芝公園のザ・プリンスパークタワー東京で第39回定例総会・懇親会を開き、会員など345人が出席した。
同会の席上では、第38期の実績は取扱額326億6900万円(前期比7.7%増)となり、うちPBのみは236億円超(9.1%増)を達成した。カテゴリー別の前期比は、ドライ8.1%増(構成比45.6%)、冷凍9.7%増(同42.9%)、チルド2.1%減(同8.5%)、種類飲料2.8%増(構成比3%)となったことを説明した。なお、冷凍は大きく伸長した。
挨拶に立った金森会長は、「JFDA商品は昨年、948アイテムを開発しており今期は1000アイテムを目指す。今期以降は“第二創成期”だと位置付けている。第二創成期には500億円達成に向けて精一杯チャレンジしていく」とした。(詳細を本紙に掲載)