冷凍食品新聞社 発行日(週刊・毎週月曜日)購読料1年33,600円(+税)昭和44年6月19日第三種郵便物認可

今週のヘッドライン|2019年5月第3週号

純利益過去最高に ―― ニチレイ

大櫛社長
大櫛社長

 ニチレイは14日、2019年度3月期業績を発表した。売上高は5801億円(前期比2・1%増)で増収となった。営業利益、経常利益は前年割れしたものの、純利益は199億円で過去最高となった。加工食品事業は、家庭用、業務用共に増収。特に家庭用は「本格炒め炒飯」「特から」など主力商品の好調を受け売上高は5・5%増となった。また同日、大櫛顕也社長が新中計を発表。2021年度の売上高を6570億円、純利益を220億円に設定、さらに長期経営目標では2030年売上高1兆円を目標とすることを表明した。
 ニチレイの2019年3月期業績は連結売上高5801億4100万円(前期比2・1%増)、営業利益295億1100万円(同1・3%減)、経常利益298億6400万円(同2・6%減)、当期純利益199億4300万円(同4・4%増)となった。

新中計、売上高6570億円へ

 ニチレイは14日、新中期経営計画「We Will 2021」(2019年度~2021年度)を発表した。
 加工食品事業と低温物流事業を中心に成長及び基盤強化に向けた設備投資を実施し「持続的な利益成長」と「豊かな食生活と健康を支える新たな価値の創造」の実現を目指す。2021年度最終売上高6570億円、そのうち海外事業1022億円、営業利益350億円、純利益220億円を目指す。
 具体的施策として、①国内経営基盤の強化、事業構造の変革による収益力の向上②海外事業規模の拡大③中長期を見据えた新規事業開発・研究開発・業務革新の取り組み強化④持続可能社会の実現への貢献⑤働き方改革や多様な人材の活用推進を進めていく。
 また2030年に向けた長期経営目標「2030年の姿」を制定。経営数値目標として、売上高1兆円、海外売上高比率30%、売上高営業利益率8%を発表した。(詳細を本紙に掲載)

増収減益で着地、国内冷食伸び悩む ―― 味の素3月期

 味の素は10日、2019年3月期業績を発表した。売上高1兆1274億8300万円(前期比1・1%増)、事業利益926億3500万円(同3・2%減)、税引き前当期純利益542億200万円(同32・9%減)、当期利益390億400万円(同42・8%減)で増収減益となった。
 セグメント別業績は、日本食品売上高3750億円(同2・4%減)、事業利益298億円(同23・1%減)、海外食品売上高4816億円(同3・7%増)、事業利益423億円(同2・0%増)、ライフサポート1079億円(同9%減)、事業利益95億円(18・5%増)、ヘルスケア売上高1353億円(12・8%増)、事業利益120億円(同28・9%増)、その他売上高274億円(同0・5%増)、事業損失12億円(-)となった。
 日本食品のうち冷凍食品の売上高は973億円(前期比35億円減)、事業利益41億円(同37億円減)、海外食品のうち冷凍食品売上高1153億円(同91億円増)、事業利益12億円(同11億円減)。

西井社長、次期中計はアジアン冷食に注力

西井社長

 西井孝明社長は、業績予測の中で冷凍食品に関して、「国内に関しては、ギョーザへの資源集中、米飯の拡大強化を行う。海外は、今期グローバル冷凍食品戦略部を設立した。売上が拡大しているアジアンフーズ、デザート類への集中と、生産・物流体制の整備を行い収益力を高める」とした。また次期経営計画として、「冷凍食品、ヘルスケアスケア等6事業を重点事業と定め投資を重点化し、成長を加速させる」とした。(詳細を本紙に掲載)

事業構造進化の年に ―― 三菱食品森山社長

三菱食品森山社長

 三菱食品の森山透社長は9日、都内で行われた決算説明会の席上、2019年度の方針について要旨以下の通り述べた。
 「経営方針2020」を策定し、3年が経過した。当社を取り巻く環境は大きく変化した。実施してきた施策は一定の手応えがあるが、環境の変化に大きく左右されない強靭な体質を作る必要がある。
 19年度は減益を計画。これは専用センターの投資やオリジナル商品の拡販による先行投資に充てるためだ。今期はいったん身をかがめ、次年度以降の発展につなげる布石の年にする。
 目指すべきは卸の徹底的な効率化と、新たな事業の構築だ。組織も変更する。旧加食、低温、酒類、菓子、ロジ、職能のカテゴリー別の組織を4月1日付で営業、SCM、職能の3部門に集約し、意思決定のスピードを高めた。営業は、加食、低温、酒類、菓子のカテゴリー横断組織にした。SCMはSCM統括を新設し、トップに営業経験者を配し、営業と連携したロジスティクスを行う。これらの組織のスリム化で、既存分野の人員を新規、成長分野に振り分けていく。(詳細を本紙に掲載)

2%増で拡大継続、CVS、スーパーの売上に伸び ―― 2018年惣菜市場

 (一社)日本惣菜協会は14日、2018年の惣菜市場規模を発表した。惣菜トータルマーケットは10兆2518億円(前年比2・0%増)となり、9年連続で前年を上回った。
 業態別の市場規模は、専門店・他2兆9542億円(同1・2%増)、百貨店3596億円(同1・3%減)、総合スーパー9481億円(同2・9%増)、食品スーパー2兆6824億円(同2・4%増)、CVS3兆3074億円(同2・4%増)となった。店舗数の縮小が続く百貨店以外のすべてのチャネルで市場が拡大した。特に、店舗数が拡大したことで最大チャネルとなっているCVS、即食系強化の動きのある食品・総合スーパーの伸びが大きかった。

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
黒田ビル2階