業務用2~10%値上げ ―― 味の素冷凍食品
味の素冷凍食品は8日、2019年3月1日納品分より業務用商品の出荷価格を約2~10%値上げする。対象商品は335品種で、業務用商材の約6割に当たる。値上げ対象のカテゴリーは、惣菜向けのラインアップや餃子等が主体。なお、「オムライスベース」や「ガツうま!チャーハン」など一部米飯類は除外する。
同社では、「価値ある商品を適正な価格で提供する」ことを基本姿勢としており、合理化・効率化により今般のコストアップを吸収し、出荷価格の維持に努めてきた。
しかしながら、食品原料全般の世界的な需要増による価格高騰や、エネルギー費、包材費等の製造コストおよび物流費の上昇が継続しており、「現行の価格を維持しての販売が厳しくなり、業務用商品の出荷価格の改定をせざるを得ない状況となった」としている。(詳細を本紙に掲載)
増収も減益に ―― ニチレイ・第2Q
ニチレイの2019年3月期第2四半期業績は連結売上高2890億1700万円(前年同期比2・2%増)、営業利益137億9200万円(同15・1%減)、経常利益140億4,000万円(同14・6%減)、四半期純利益94億2100万円(同7・4%減)で増収減益となった。グループ全体の売上高は、低温物流事業、畜産事業が堅調に推移し増収となったものの、海外関係会社の業績影響等により加工食品事業が苦戦、営業利益、経常利益が減益となった。
セグメント別では、加工食品事業の売上高は、1144億200万円(同0・5%増)、営業利益64億5500万円(同24・3%減)、水産売上高351億5200万円(同1・7%減)、営業利益1億2600万円(同43・6%減)、畜産売上高447億3100万円(同2・0%増)、営業利益7億500万円(同3・8%増)、低温物流売上高999億4500万円(同5・5%増)、営業利益55億500万円(同3・6%減)。
加工食品事業の売上高は、家庭用調理品295億6100万円(同8・1%増)、業務用調理品490億8100万円(同3・8%減)、農産加工品102億3200万円(同4・6%増)、海外160億500万円(同0・4%増)となった。
家庭用調理品は、「本格炒め炒飯」「焼おにぎり」「特から」が好調で増収も、輸配送費等のコスト上昇で微減益。業務用調理品は、「シェフズスペシャリテ」や春の新商品「特撰和風竜田揚」などが伸長したが、大手ユーザー向けの取扱が拡大して大幅増収となった前期の反動で減収となった。農産加工品は、天候不順による生鮮野菜の供給減により需要が高まり伸長した。
冷食は海外増収も利益は減 ―― 味の素・第2Q
味の素は7日、2019年3月期第2四半期決算を発表した。連結売上高5464億9300万円(前年同期比3・4%増)、事業利益445億7200万円(前年同期比5・3%減)、四半期利益310億1100万円(同14・5%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益260億8300万円(同16・7%減)となった。
事業別の国内冷凍食品は、売上高493億円(同15億円減)、事業利益18億円(同25億円減)の減収減益。第1Qの販売の苦戦を吸収できなかった。海外冷凍食品は、売上高544億円(同62億円増)、事業損失5億円(同22億円減)となった。北米におけるアジアン製品の拡売や欧州子会社の新規連結の影響で増収も、米国における物流費の高騰などにより減益となった。
西井孝明社長は、「海外事業はギョーザ、チャーハンなどが大幅に伸びた。運送費については増加が著しいため、今後物流網の再構築などで効率化を図りたい。国内事業は、唐揚げ市場がレッドオーシャンになっており、苦戦がみられた」とした。
家庭調理、凍菜が好調 ―― ニッスイ・第2Q
日本水産は5日、2019年3月期第2四半期決算を発表した。連結業績は売上高3504億8300万円(前期比5・8%増)、営業利益105億6000万円(同18・6%減)、経常利益119億5200万円(同9・9%減)、四半期純利益69億1900万円(同25・6%減)となった。売上高は全事業が増収となった。
事業別では、水産事業は減益となったが、ほぼ想定通りで進捗した。
食品事業は売上高1729億円(同6・3%増)、営業利益72億円(同0・7%減)。北米は、ゴートンズ社の家庭用冷食がコスト削減で増益、欧州はマーケット拡大を目指した生産体制の整備が進みチルドを中心に増収。国内は、冷凍米飯や凍菜が順調も魚肉ソーセージの苦戦に加え、原料価格の上昇もあり減益。
単体の冷凍食品売上高は、家庭用調理品が240億円(同5・3%増)、業務用調理冷凍食品が171億円(同2・3%減)、農産冷食が64億円(同7・9%増)。家庭用調理品は「大きな大きな焼きおにぎり」や「いきなりステーキガーリックピラフ」、「若鶏の竜田揚げ」などが好調で増収。
業務用調理品は、前期のCVSカウンター向け商材の大口スポットが今期は無いため減収。農産冷食は枝豆、ほうれん草が好調だった。
冷食は家・業とも苦戦 ―― マルハニチロ・第2Q
マルハニチロは5日、2019年3月期第2四半期決算を発表した。連結業績は売上高4485億4900万円(前期比0・4%増)、営業利益102億1500万円(同21・2%減)、経常利益118億9700万円(同21・1%減)、四半期純利益87億6100万円(同4・3%減)となった。
昨年度に比べ国内魚価が高値で推移したこと、利益在庫がなかったこと、海外では豪州のメロの期首在庫が減少したことなどの影響で減益だったが、「折り込み済みでほぼ予算通り」(池見賢取締役常務執行役員)としている。
冷凍食品関係では、家庭用冷凍食品が売上高298億円(同6億円減収)、営業利益8億円(前期並み)。食卓向け商品や冷凍野菜の販売は拡大したものの、弁当商材の販売減により減収減益となった。業務用食品は売上高584億円(同横ばい)、営業利益4億円(7億円減益)。介護食、CVS等の取組が下支えして売上は前年並みとなったが、水産・畜産原料の価格高騰に加え、外食の低迷もあり、自社工場製品の販売が低調に推移したことにより減益となった。
なお、ヤヨイサンフーズの第2四半期は売上高171億円(前期比3億円の減収)、営業利益1億2000万円(同3億円の減益)。牛肉価格高騰の影響を受けた。