冷食はつまみ、素材強化 ―― セブン―イレブン・上期商品戦略
石橋本部長
セブン―イレブン・ジャパンは3月30日、東京・有明の東京ビッグサイトで「上期戦略説明会」を開催し、上期の冷凍食品の展開について、トレー入りの〈セブンプレミアムおつまみシリーズ〉を投入し、冷凍ミックス野菜、冷凍果実、IQF凍結肉などの素材系冷食を強化する方針を示した。新商品では、3月に発売した「すみれチャーハン」が既存の冷凍炒飯の4倍の売上を記録したと説明。冷食売場を2倍に広げた新レイアウトの導入店舗については、冷食日販が導入前と比べて1500円伸びており、「売上が取れるやり方が見えてきた」(石橋誠一郎商品本部長)として、導入店舗拡大に対する自信をのぞかせた。
上期に〈セブンプレミアム〉から展開する冷凍食品の内、〈おつまみシリーズ〉では、5月に「手羽中甘辛揚げ」、6月に「牛プルコギ」など畜肉系を中心に投入する。今後は、「焼き茄子」など幅広いメニューの展開を図り、需要が拡大している魚原料の商品についても開発を進める。素材系商品の冷凍フルーツについては、海外メーカーとの取組によってドリップの出にくい商品を展開する。
また、3月に発売した「すみれ炒飯」(300g、税込267円)が、発売以来3週連続で冷凍食品部門の売上1位となり、即席麺との同時購入によって客単価が向上する傾向が見られたことから、同様に関連商品との買い回りを狙える商品として、6月中旬に「蒙古タンメン中本麻辛麺」を投入する。
石橋商品本部長は、「トライアル商品として開発した“すみれチャーハン”は、すみれ監修の即席麺とセットで550円で食べられることがSNS上で話題となった。売上が通常の炒飯の約4倍となり、これまでの冷凍食品ではみたことのないような数字を記録している。購入経験が少ない若年層にもしっかりアピールできる商品となった」とした。
なお、東京・西新宿のベルサール半蔵門で5日に開催した決算発表会の席上では、「新レイアウトの進化」と題したスライドを用いて、昨年まで新レイアウトとして示してきた壁面に冷凍食品売場を配置するフォーマットを一部修正し、更に店舗内部の什器にも冷凍食品売場を拡大するレイアウト図を紹介した。
このことからも、新レイアウト導入店舗における冷凍食品売場の更なる拡大が見込まれる。(詳細を本紙に掲載)
月別推移
関東圏へ本格進出、関東食材を取得 ―― オーディエー
オーディエー(大阪市浪速区、小田大輔社長)は2日、外食や事業所給食等事業者に食材を供給している関東食材(株)(横浜市神奈川区、熊谷重男社長)の発行済株式を取得し完全子会社化した。株式取得後、オーディエーから役員を2名派遣する。また、平成31年12月1日にオーディエーを存続会社として吸収合併を行う。吸収する関東食材の配送エリアは、東京、神奈川、埼玉、山梨、茨城。(詳細を本紙に掲載)
高収益構造へ転換、20年度売上3000億へ ―― 極洋・新中計
極洋は3月30日、4月1日の2018年度からスタートする新中期経営計画「Change Kyokuyo2021」(2018年度~2020年度)を発表した。
新中計の基本方針は、「魚を中心とした総合食品会社として、高収益構造への転換をはかり、資源、環境、労働などの社会要請を踏まえ、事業のウイング拡大と時間価値の提供により企業価値の向上を目指す」。
この基本方針を達成するために、これまでの「グローバル戦略」、「シナジー戦略」「差別化戦略」をさらに深化させるとともに、社会からの要請、ニーズを的確に把握した戦略設定を行う。「ESG(環境・社会・ガバナンス)重視の事業活動」を通じて、「拡大」「強化」「均衡」の各戦略を進め、売上の増大と利益率の改善により高収益構造への転換を目指す。
戦略Ⅰ=「拡大」では、食品事業、海外事業、事業領域をそれぞれ拡大する。食品事業では、工場生産性の向上、生産コストの低減を通じ、競争力のある商品を提供することで販売拡大を図り、新規の商品アイテムの取り組み、生産工場の設備増強・改善を図る。
戦略Ⅱ=「強化」は、資源アクセス、商品開発、ブランドを強化。商品開発では、食品だけでなく水産商事でもコンシューマー商品としての提供方法を模索し、開発のスピード化、アイテムの拡充を進める。ブランドでは、市販食品「シールマルシェ」は、再構築を図る。社名ブランドの認知度向上も図る。
戦略Ⅲ=「均衡」は事業構造、資本政策の均衡を図る。事業構造の均衡では、食品セグメント(冷凍食品、常温食品)の収益力を上げ、グループ事業のバランス構造を均衡させる。
戦略Ⅳ=「ESG重視の事業活動」は、環境面では水産資源の持続的な活用と生物多様性の保護のための規格・認証取得を行い安定した水産物の供給。また地域社会とのコミュニケーションを通じて、地域の活性化、環境保全などにも積極的に取組み、働き方改革の尊重、時間外労働の削減やワークライフバランスを意識した職場づくりを進める。また透明性の高い経営、迅速な意思決定による企業価値の向上を目指し、コンプライアンスの徹底などに注力する。(詳細を本紙に掲載)
枝豆、唐揚げ等使用拡大 ―― 冷食協・インバウンド初調査
(一社)日本冷凍食品協会はこのほど、「飲食店における外国人旅行客の影響度及び冷凍食品に関する調査」(調査はぐるなび、産経広告社)結果を発表した。協会が外国人旅行客、いわゆるインバウンドの調査は初めてとなる。
外国人旅行客の来店状況については、来店客に占める外国人旅行客の割合は「2%未満」が最も多く約半数。「5%以上」の回答は17%。業態別では、鍋、焼肉・ホルモン・鉄板焼きの店舗で外国人旅行客の割合が高い。人気のメニューは「刺身」「パスタ」「唐揚げ」「天ぷら」「ステーキ」「寿司」「サラダ」。(詳細を本紙に掲載)
「大海老炒飯」を発売、おにぎり丸に新フレーバー ―― 味の素冷凍食品
具のおいしさにこだわった大海老炒飯
ご飯と相性の良いおにぎり丸
味の素冷凍食品は、家庭用冷凍食品の新商品「大海老炒飯」を5月20日から発売する。
「大海老炒飯」(400g)は、京王プラザホテル「南園」李国超総料理長が監修した丸ごとの大海老と焼豚が入った具のおいしさにとことんこだわった。大豆を熟成発酵させたたまり醤油と牡蠣のうま味をきかせたオイスターソースで仕上げたコク深い味わい。
また、〈おにぎり丸〉のシリーズ新品種として「ねぎ味噌チキン」を5月20日から発売する。「ねぎ味噌チキン」はご飯と相性の良い、筍やこんにゃくが入ったねぎ味噌に国産鶏肉をコク深い味噌だれで和え、仕上げた。