29年生産高は160万t ―― 冷食協・伊藤会長
会見する伊藤会長
(一社)冷凍食品協会の伊藤滋会長は12日、東京・豊洲のマルハニチロ本社で冷凍食品記者クラブとの年末会見を行った。平成29年の冷凍食品の国内生産高については、過去最高を更新し160万t(前年比3%増)程度を達成するとの見通しを明らかにした。また、原料高に起因する値上げについては、「さらにコスト要因が悪化するのであれば、製品転嫁をせざるを得ない場面も今後想定される」とした。
伊藤会長は、「この1年間、人手不足という問題が顕著になり、今後この問題は日本経済の成長と、我々の事業展開の上で大きなネックとなる可能性が出てきている。消費の面では、訪日客数が10月時点で昨年実績を超え我々に与える影響も大きくなっている。インバウンドの分野については、冷凍食品業界としても貢献できると考えている」とした。(詳細を本紙に掲載)
チキン・米飯が依然好調 ―― ニチレイ・大谷社長
大谷社長
ニチレイ大谷邦夫社長は、12日、東京・築地の本社で行われた年末会見で、同社現況及び来年の展望を要旨以下の通り述べた。
17年、世界を見渡すと、北朝鮮の問題や、トランプ米大統領発言による中東の不安定化など地政学的リスクが顕在化した。政治的に、まだまだ、予断を許さない状況だ。一方、経済に目を向けると、先進国は堅調に成長しているといえる。日本経済も個人消費は、まだおぼつかないが、全般的には回復基調にあることは間違いない。
しかし、人手不足の深刻化、その手当のためのコストアップは進み、また、インターネット経済の広がりが、消費行動に変化をもたらすなど、変化の激しさは加速している。
その中、当社の第2四半期業績は売上高2828億円(前年同期比5%増)で着地できた。加工食品のカテゴリー戦略が奏功し100億円強の増収となったことが主要因だ。営業利益は前期並みの163億円で着地した。加工食品、水産が対前年同期比で減益、低温物流がそれを補った形だ。
通期では、売上高5670億円を見込んでいる。加工食品が前期比100億円増収、低温物流が15億円の減収となる。営業利益は305億円。前期比12億円増となるとみている。
増収要因は、加工食品のチキン加工品、米飯が依然好調であること。業務用でも中食ルート向けにチキン加工品が拡大していることが挙げられる。その増収効果の影響で下期の営業利益142億円を見込んでいる。(詳細を本紙に掲載)
家庭用は体質適正化へ努力 ―― 味の素冷凍食品・吉峯社長
吉峯社長
味の素冷凍食品の吉峯英虎社長は8日、同本社で年末会見を行い、同社現況を要旨以下の通り述べた。
17年、冷凍食品市場は堅調に推移した。要因として挙げられることは、生活者の生活様式の変化と買い場の変化によるものだ。買い場の変化でいえば、ドラッグストア、CVSの売上が加速度的に伸びている。また、イートインと内食の垣根が無くなりボーダレス化しているように喫食シーンの変化も顕著だ。冷凍食品の特性が、これらの流れに合っているのだろう。
上期の冷凍食品市場は、家庭用に関しては、弁当カテゴリーは低迷を脱していないが、食卓商材は増加している。業務用市場は外食が復活し、量販惣菜も堅調だ。ただし、家庭用は、EDLPや、5割引きセールが行なわれ、まだまだ、冷凍食品の価値と価格のバランスが悪い。メーカー、流通ともに更なる努力が必要だ。利益が出にくい状態を適正化しなければならない。(詳細を本紙に掲載)
フローズン・アワード大賞に「本格炒め炒飯」 ―― 日本アクセス
田中会長(左)とニチレイフーズ・松尾支店長
日本アクセスは12日、東京・大崎の同社本社で、2017-2018年のアイスと冷凍食品の大賞を決める「第5回10万人が選ぶフローズン・アワード王座決定戦~5年間の真の王者をあなたが決める頂上作戦」キャンペーンの大賞を決定する審査会を開催し、合わせて人気投票結果を発表した。冷凍食品部門の大賞には「本格炒め炒飯」(ニチレイフーズ)が輝いた。
開会に当たり挨拶した田中茂治会長は、「このアワードは最強の冷凍食品、アイスを決める会だ。家庭用冷食の購買層は4割しかないというデータもある。6割は伸びしろがあるという事だ。この様な企画は、川上、川下もできない卸だからできる企画であり、単なるイベントで終わらせるのではく現場の売場で消費者にPRする事が重要だ。来月中旬以降に店頭販促を行う。メーカーと一体となり、冷食、アイスの市場を活性化していきたい」とした。(詳細を本紙に掲載)