安定運営と変化対応両立 ―― 味の素冷凍食品・南良社長

味の素冷凍食品は5月21日、東京・銀座の同社本社で業績報告会を開催、4月1日付で就任した南良勉新社長が今後の抱負について語った。南良社長は「経営理念である『食の感動体験を通じて、世界中に笑顔を届ける』という志を、改めて深く胸に刻んでいる。(冷凍食品事業は)味の素グループにとっては非常に大切な事業であり、その経営責任を負いながら、進化させていく」とした上で、経営において重視するポイントとして「『組織文化・風土』の大切さ」「『両立』の重要性」の2点を挙げた。国内冷食マーケットの伸長を最大のチャンスとして捉え、製品価値の向上を図っていくことで成長を加速していく。
南良社長は「『組織文化・風土』の大切さ」を重視する理由について、自身のベトナム味の素での「学校給食プロジェクト」での成功を例に挙げ説明。「パーパスの実現に向けて、組織的にちゃんと考えて、ちゃんと実行することが文化・風土となっている組織は継続的な成果創出を可能にする」とした。
また、「『両立』の重要性」については、「継続的に成果、成長を創出するには、生産でも販売でもコーポレート部門でも、全ての部門・機能において日々の業務を丁寧にやり抜いて、経営・事業の安定運営を実現しながら、なおかつ変化に対応したさらなる価値提供を含む、新たな取り組みを実行することが必要だ」とした。
南良社長は中国、ペルー、インドネシア、フィリピン、ベトナムと様々な国で味の素グループの海外事業に携わってきた。豊富な海外経験から見た現在の日本の冷凍食品マーケットについては「課題」と「機会」があるとし、「課題」については、インフレが加速する中でさらに製品価値を磨き上げる必要を説くとともに、「機会」については産業全体では伸びているマーケットが非常に少ない中で、冷凍食品のマーケットが伸長していることは“最大のチャンス”とした。
企画開発力を一層強化 ―― 大冷・高付次期社長

高付次期社長(左)と冨田社長
大冷は5月22日、東京・月島の同社本社で2026年3月期決算説明会を開き、冨田史好社長と6月の定時総会で社長に就任する予定の高付広昭取締役専務執行役員社長補佐兼経営企画室長が出席した。
高付氏は、「世の中の情勢が変化している。その中で一番は人の問題だ。省力化を進める。利益も生み出しにくくなっているが、企画販売会社として、企画・開発力を上げて、利益、価値を高めていく。商品では骨なし魚、ミート事業は引き続き注力する。さらに魚を入れた和惣菜など水産を含む調理品加工品を強化していきたい」とした。冨田社長は「大冷には14年間在籍した。前半7年間は上場に向けた取組を行い、社長就任後の7年は、前半はコロナ禍の中での対応、後半は値上げに対応した」と振り返った。
■26年3月期、見直し業績予想上回る
同社2026年3月期決算は売上高250億5300万円(前期比2.6%減)、営業利益6億6000万円(同21.5%減)、経常利益6億9300万円(同17.9%減)、純利益4億8200万円(前期は5億7400万円の純損失)であった。
売上は、低価格ニーズに対応し安価商品の拡販を進めたことで下半期の骨なし魚事業の売上は回復、ボイルカキの新規販売、「アメリカンドッグ類」の販売が回復も上半期の落ち込みをカバーできず減収。利益面では、値引き増加に伴う粗利率低下や売上減により減益も。見直し業績予想は上回った。
事業別は主力の骨なし魚事業が87億1300万円(前期比3.6%減)、ミート事業が24億4100万円(同0.5%増)、その他事業が138億9800万円(同2.6%減)。
今期は増収増益を見込む。骨なし魚事業で新商品今春発売の新リーズ「MOTTO」の拡販を進めるほか、調理加工品やタイ生産の鶏の「楽らく匠味」製品シリーズの拡販、また、カキやエビ商品の拡販、低価格帯商品の投入を進め、収益改善につなげる。
■新中計が始動
同社では今期より新中計(2026-2028)がスタート。新中計では、事業課題の取組みとして①大手ユーザー取引の拡大②マーケットの拡大③海外事業の拡大を目指す。マーケットの拡大では大手通販サイトへの出店などBtoCも強化する。
鈴木敏文セブン&アイ名誉顧問が死去

鈴木敏文氏(すずき・としふみ=セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問)、5月18日に死去。93歳。通夜、葬儀は近親者のみで執り行う。喪主は長男の鈴木隆文氏。献花、供物、香典、弔電などは辞退する。後日、お別れの会を執り行う予定。
鈴木氏は1932年12月長野県生まれ。56年3月に中央大学経済学部を卒業後、東京出版販売(現トーハン)を経て、71年にイトーヨーカ堂に入社。米国でFCビジネスに触れて商機を見出し、70年にセブンイレブンを立ち上げ、74年に1号店を東京都に出店した。物流効率を引き上げるドミナント出店や商品の単品管理等を採用し、店舗に公共料金支払い機能や独自の銀行ATMを設置する等、革新的な取り組みでコンビニ業態を市場に定着させた。「コンビニの生みの親」として知られている。