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今週のヘッドライン|2025年10月第1週号

香川にうどん新工場 ―― テーブルマーク

 テーブルマークは9月26日、香川県観音寺市に冷凍うどんの新工場を建設すると発表した。併せてサンバーグ、光陽、加ト吉水産など製造グループ会社5社を直営体制へ移行。また北海道加ト吉をちぬやホールディングスへ売却など生産体制の再編に着手する。同社基幹商品である冷凍うどんの国内外の中長期的な需要の拡大を見据え冷凍うどん生産を増力しながら、製造グループ会社の直営化で生産性向上と経営の一体推進を実現することで価値ある商品を持続的に提供する体制を構築していく。

 冷凍うどん新工場は香川県観音寺市の旧テーブルマーク本社工場跡地に建設する。総投資額は83億円。冷凍麺の製造を担い、2026年11月に着工、2027年10月の稼働開始を予定している。
 新工場では、AIやIoTを活用した自動化システムを導入し、省人化と高効率な生産を実現するほか、再生可能エネルギーや省エネ設備を取り入れ、温室効果ガス排出量の削減にも取組む。
 なお、グループ全体の生産性向上を目的に綾上工場(香川県綾歌郡綾川町)は生産を他工場へ移管し、2027年9月に閉場する予定。
 国内製造グループ再編では、製造関連グループであるサンバーグ(茨城県境町)、光陽(愛知県豊川市)、加ト吉水産(香川県観音寺市)、一品香食品(福岡県久山町)、日本食材加工(宮崎県宮崎市)の5社を吸収合併し、テーブルマーク直営体制へ移行する。これにより、生産性の向上と経営の一体的推進を図る。関節業務の集約によるグループ全体の効率的な運営やガバナンス強化を目指すとともに、人財採用や人財育成の拡充による人的資本の強化を図り、持続可能な事業基盤の構築に取組んでいく。
 また、物流と製造を兼ねてきたフードレック(香川県観音寺市)は、2026年12月にパックごはんの製造を停止し、物流事業に特化する。

■北海道加ト吉をちぬやに譲渡

 また、同社製造子会社で冷凍コロッケ、ラーメンを製造する㈱北海道加ト吉(北海道赤平市)の全株式を26年4月1日に、㈱ちぬやホールディングス(香川県三豊市・今津秀社長)に譲渡することで合意し、契約を締結したと発表した。北海道加ト吉は、1994年の設立以来、北海道産の良質な原料を使用した冷凍コロッケを製造し、ポテトベースからクリームベースまで幅広いラインアップを展開、現在は業務用を中心ンに冷凍コロッケに加え、冷凍ラーメンも製造している。グループ全体の生産体制を再検討する中で、北海道加ト吉の持続的な事業成長の実現のためには、コロッケ市場でのプレゼンスが高く、有力なノウハウを有するちぬやホールディングスに売却することが最適と判断したもの。
 売却に伴い、現在、北海道加ト吉で製造しているテーブルマークブランドの冷凍コロッケカテゴリ商品は、1年間の移行期間を以て、生産を終了予定。冷凍ラーメンはテーブルマークグループ内のほか工場へ製造移管し、販売を継続する予定としている。
 今回の新工場建設や工場再編、売却の背景には、基幹商品である冷凍うどんの需要拡大がある。利便性や品質の高さが再評価され、国内市場では中長期的な伸長が見込まれるうえ、日本食人気を追い風に海外市場での成長余地も大きい。一方、人口減少に伴う労働力不足は深刻化しており、持続可能な事業運営への対応が急務となっている。こうした状況を踏まえ、同社は新工場とグループ会社再編を通じて生産性向上と経営一体化を進め、価値ある商品を安定的に提供する体制を整える考えだ。

PB60品目を値下げ ―― イオン

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〈ベストプライス〉も強化

 イオンは1日、千葉県千葉市のイオンスタイル幕張新都心で会見を開き、トップバリュの60品を値下げすると発表した。冷凍食品も対象に含まれる。
 対象品のうち、冷凍「ブロッコリー200g」は税抜178円から同168円に、「ブルーベリー500g」は同628円から同598円に、「炭火焼鳥盛り合わせ たれ」は同398円から同358円に値引きする。
 規模の拡大や中間流通の削減などに取り組んで値下げを実現した。
 PBの大規模な値下げは75品目の価格を下げした4月に続く2回目。前回は対象商品の売上が前年比で58%伸びる効果があったことから、今回の売上の伸び率も5割以上を見込んでいる。
 土屋美津子社長は「包材を削減し、物流も自社で手配するなどの工夫で値下げを実現した。引き続き美味しさも値ごろ感の達成もあきらめずにPBの見直しを進める」としている。

●パスタ、ワンプレートなどの新商品も

 併せて、冷凍パスタ、ワンプレート、米飯の新商品も発売した(米飯は既報)。
 冷凍パスタ〈バリラ〉シリーズは「エビのジェノベーゼ」「スモークベーコンのチーズソース」「オイルサーディンのトマトソース」を発売し、3品をリニューアルする。シリーズの価格を税別698円から同498円に引き下げる。
 〈ベストプライス〉から「なす入りミート」「ナポリタン」など大盛りパスタ6品も発売する。1食340g以上の商品を税別178円で販売する。
 冷凍ワンプレート〈ガッツリ×ガッツリ飯〉シリーズは「ジャージャー麺&にんにく焼きめし風とヤンニョムチキン」など4品を発売し、既存品2品をリニューアルする。

「消費者の部屋」展示 “手間抜き”伝える ―― (一社)日本冷凍食品協会

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河南総括審議官(左)、出倉専務、藤江会長

(一社)日本冷凍食品協会は9月22日~26日まで、東京・霞が関の農林水産省北別館1階「消費者の部屋」で特別展示「べんりとおいしいのその先へ 冷凍食品」を開催した。
 展示内容は、冷凍食品の基礎知識、歴史、利用状況、工場見学などのパネルや会員メーカーのダミーパッケージなどを展示、また、今年度よりスタートした冷凍食品認定制度の改定、新認定証マークの紹介もスペースを使い告知した。なお、会員メーカーの商品試食は行わなかった。
 24日には藤江太郎会長(味の素執行役会長)が来場し、農林水産省の河南健総括審議官(新事業・食品産業)に対し、出倉功一専務理事とともに展示内容を説明した。
 藤江会長は今回の展示について「冷凍食品は『手抜き』ではなく『手間抜き』であることを分かりやすく表現している。協会として今後さらに発信を広げていきたい。10月17日、18日に開催する『手間抜きレストラン』でも消費者の皆様に手間抜きの冷凍食品の良さを伝えていく」と語った。

新社長に岡専務取締役が昇格 ―― 東亜商事

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岡新社長

 東亜商事は、10月1日付で代表取締役社長に岡修一専務取締役が就任した。小山喜之社長は代表取締役会長に就任した。また、山城篤専務取締役は、取締役副社長に就任した。
 岡修一(おか・しゅういち)新社長は、1961年5月24日生まれの64歳。中央大学文学部文学科国文学専攻卒、1984年4月1日東亜商事入社、2004年12月執行役員、2006年11月取締役、16年11月常務取締役、22年4月専務取締役。

会社所在地

〒160-0008
東京都新宿区三栄町24番地
黒田ビル2階